【d!】大人になるから… (ページ4)

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4. お兄ちゃんページ4

店員さんが、お酒とちょこっと食べ物を持ってきてくれた。

『初めてのお酒…』
「飲み方教えてあげましょうか？www」
『それは分かります！お酒くらい飲めるんだから』

また始まった！変にバカにしてくるところ…
昔のお兄ちゃんを思い出しちゃう。

「それじゃ、かんぱーい」
『かんぱいっ！』

そして、恐る恐るグラスに口をつけて飲む。
それは思ったよりも、ジュースに近い飲みやすいお酒だった。
でもちょっと苦いところが大人の飲み物っていう感じ。

「どうっすか。お酒は」
『思ったより美味しかった！でもちょっと苦いかも』
「ふふ、味覚も子供なんですねw それめっちゃ甘いやつなのにw」
『もう！私はもう大人だから！』

と、大人げない口調で喋る。
それからたわいもないほのぼのとした会話をして、だいぶお酒が回ってきたころ。

「そういえば、Aさんはなんでタバコ吸うことにしたんですか？」
『あのね。私、お兄ちゃんいて、ほんでお兄ちゃんがタバコ吸っててかっこいいなって。でも2年前に…死んじゃって…』
「…そうやったんですか、辛いこと思い出させてすみません」

そう言ってショッピさんは私を覗き込み、涙を堪える私の背中を優しくさする。
その行動も、お兄ちゃんみたいで涙が溢れそうなのを必死で止めようとする。

『う…ん。でも、いつも空から見てくれてるっ…から…』
「せや、がんばっとればいいことあるで」

さっきまでとは考えられないほどの優しさに、胸が締め付けられる。

『いいこと…』
「これから、きっとたくさんくるはずや」
『えへ、もう来てるもん』

そう言って小声で呟く。

『今までお兄ちゃんのこと話したことなかったけど、初めて話した人がショッピさんでよかった。慰めてくれて。なんか落ち着いたし、心がふわってなった感じがしたの』
「ん、」

ショッピさんはなぜが顔をちょっと赤くしてそっぽ向いた。
よっちゃったのかな‥なんて思ってるとショッピさんが口をそっと開けた。

「俺もAさんと会えてよかったです。普段あんまり話さないのにこんなに楽しく会話出来きて」
『うん…！』

嬉しかったけど、お互いに顔を合わせず気まずくなり、タバコを開く。

『私、もう一人で吸えるようになったから！』

そう言って一本取り出す。
ショッピさんは手慣れているからかもう吸っていた。

「ふぅー」

そこで一つ気づいてしまった。