【d!】大人になるから… (ページ2)

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2. 教えるページ2

「まず、タバコをこうやって叩いて、こう持ってください。」
『こう、？』
「ちゃいます。こうです。」

そう言って私の手に触れタバコの向きを変える。ただでさえ近かった顔が近づき、ちょっとびっくりする。

「ほんで、こうして、ここはこう。で、ライターを付けて…」
『なるほどです。もう出来ます！ありがとうございました！』
「あ！あとは吸うだけやけど、初めはゆっくり少しだけ吸ったほうが…」
『げほっ、げほ…』

吸いすぎたみたいでむせてしまった。

「ほら言ったやないですか。もう、水どうぞ」

そう言って新しい水のペットボトルをくれた。
すごく優しい人って思いながらも、申し訳ない気持ちが浮かぶ。

『すみません…』
「まあええです。おもろかったしwww」
『なっ！？』
「とにかくほら。ゆっくり吸ってー吐いてー」
『すぅー。ふぅー。にがっ！？』

口の中に苦い味が広がり、いそいで水を飲む。

「っふふ。まあ、あとは火消して終わりです。吸えてよかったっすねw」
『む…ありがとうございました』
「じゃ、わいはここらへんで」

そう言って喫煙所を出てこうとした男の人に声をかける。

『あの、名前なんていうんですか？』
「しょっぴです」
『おー！わたしはAって言います。またどこかで一緒にたばこ吸えるといいですね！』
「そうっすねwその時も吸い方教えてあげますよwww」
『いえ！！その時には完璧に吸ってびっくりさせますから！』
「楽しみにしてますwでは」

ショッピさんの一旦止まった足が再び動き出す。

またどこかで会えるといいな。