三話 ページ4
折り紙を戻して、文をよんだ。
俺は少しだけ目を見開いて、口を開けた。
そこに書かれていたのは
"お兄ちゃん、おかし食べてごめんね！
結がおかし食べてもわらって許してくれるお兄ちゃん大好き！"
折り紙の白い方にピンクの色鉛筆で書かれた、自分勝手な事。
許してなんて無いのに
漫画の方にまた目線を移すと、漫画の間から沢山折り紙がはみ出ていた。
まさかと思って漫画を全部出して、折り紙を集める。
俺の腕の中には、何十枚と言うハートの折り紙
その場に座り込んで
赤いハートを戻して行く。
"お母さん、結のためにはたらいてくれてありがとう！
病気になんてなって、ごめんなさい"
緑色のハート
"お父さん！テディベア買ってくれてありがとう！とっても嬉しい！
病気は結が悪いんだよ、お母さんとケンカしないでね"
オレンジのハート
"結は、お父さんもお母さんもお兄ちゃんも大好き！！"
水色のハート
"結ねしょうらいお医者さんになるの！
結みたいに病気の子を助けてあげる！"
白いハート
"結みんなの家族になれてよかった！！
生まれ変わっても、みんなといっしょがいいな"
黄色のハート
"お兄ちゃんは結のこと嫌い？
結は大好きだよ！！お兄ちゃんも好きだったらいいな！"
紫のハート
"大好きだよ！！ずっとずっと！！
愛してる！！"
そして、黒のハートを読んだ時、俺は耐えていた涙を零してしまった。
黒いハート
「…結も…他の子みたいに、大人になりたかったな…」
所々滲んだ文字は、涙の跡
泣いたんだな、あいつ
俺は読み終わると、最後のハートに手を伸ばす。
最後の、ピンクのハート
"結は死んでも、天使になってお兄ちゃんを守りに行くよ！！
ずっとお兄ちゃんに守られてたから、今度は結が守るんだ！！"
それを見た俺は、クシャリと折り紙を握りしめて
声を上げて泣いた。
わんわん赤ちゃんみたいに泣いた。
それに気づいた皆が結の部屋に入ってくると驚いた顔をして立ちつくした。
たった10枚の折り紙は
天使になった妹からの手紙だった。
大好きだよ結
この日俺は妹に、ピンクの薔薇を送った。
天使からの手紙
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マナミ(プロフ) - いい話ですねえ。 (2020年8月15日 7時) (
レス) id: 1ad169d590 (このIDを非表示/違反報告)
そらにゃん - 泣いたわあ(´；ω；`)誰か、ティッシュを…くだせぇ…(´；ω；`) (2020年7月1日 22時) (レス) id: 040b9a8f98 (このIDを非表示/違反報告)
輝夜 - 良い話すぎです！涙が出ました!! (2020年6月17日 13時) (レス) id: 99df2104cb (このIDを非表示/違反報告)
テノヒラ - 凄い…！たった3話なのに、めちゃくちゃ感動しました！結ちゃあああああああああああああああああ！（泣） (2020年5月28日 18時) (レス) id: 0b1665532f (このIDを非表示/違反報告)
七海 - 感動しました！私には大っ嫌いな家族がいます。生意気な妹、どんな時も上からのお兄ちゃん、私を嫌っているお姉ちゃん、私にだけ当たり強いお母さん、なんでも私のせいにするお父さん。すごく嫌いだけど、死んだらどう思うんだろうって思いました。 (2020年5月25日 23時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生夏 | 作成日時：2020年5月23日 17時
