視えてます。【wrwrd】

にじゅうわ ページ21

教室に行く途中でチャイムがなり始めたので全力で廊下を駆け抜けたら足を全力で挫いたAです。
教室についた時点で先生に保健室に行けと言われ、委員会もまともに決めていない今、仲のいい皆子に付き添ってもらった。

「恥ずかしい…」

「んふ、Aちゃんってドジだよね〜」

「運動は得意なんやけどなぁ…」

カラカラと引き戸を開けて中に入ると、そこには…

「いややぁ!!脱がすなぁ!!」

「さっさと尻向けるんやロボロ!!」

「いいいやぁああああ!!!!!」

カーテンのかかったベッドから甲高い男子生徒であろう人の悲鳴とそれに迫る男の声が聞こえてくる。
ギシギシとベッドの軋む音ももちろん聞こえる。

「…」

「…」

私達二人は顔を合わせ、頷き合った。
そして大きく息を吸いこみ


「すみませーん!!!!!!」
「すみませーん!!!!!!」


叫んだ。
するとピタリと音は止みシャッとカーテンを開け、白衣の男が出てきた。

「もータイミング悪いなー何?」


「怪我しましたー!!!」

「付添でーす!!!」

「もう聞こえてるってば!」

神と書かれた雑面を顔に付けた多分保健室の先生はもー、と言いながら椅子を用意してくれる。
側にはラッコが泳いでいる。可愛い

「どこ怪我したの?」

「右足挫きました。」

「ん、見せて」

靴下を脱ぎ患部を顕にすると、青紫に変色していた。

「うっわ!!痛そ」

「いや痛いの君だからね」

なんて言われつつ氷袋を出してきてタオルの上から冷やす。

「これで十分置いといて、なかなか腫れは引かないと思うけどまぁ骨に異常はなさそうだから、過度な運動だけは避けて」

「はーい」

「じゃ私戻りまーす!Aちゃん後でね〜!」

「うんありがとー!」

と、言うわけでね、今しがた襲われそうになってた天って書いてる生徒と、襲ってた神って書いてる先生と3人きりになっちゃったわけですよ。

「…」

「じゃあ続きやろうかロボロ」

カーテンの隙間からこちらを伺っていたロボロさんとやらは頭の上にハムスターを乗せている。可愛い

「いやいやいやおかしいやろ!!そこに女子おんねんぞ!!どんな羞恥プレイや!!」

「お!いいなぁ羞恥プレイ!やろか!」

「嫌やァァァ!!!」

ハムスターさんはベッドの奥へ逃げようとしているけれど、好都合と言わんばかりにベッドに入っていく先生

「あ、ちょっとうるさいと思うけど気にしないでね」

ひょいと顔を出して言われた。
マジでヤル気だ…。

私は逃げ惑うハムスターさんに合掌する。
南無阿弥陀仏…。

にじゅういちわ→←じゅうきゅうわ　水視点

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す