ダイスキ_165* ページ28
貴女side
彼の本当の過去を知った。優しい家庭で温かい家族に恵まれて育ってきた私には、現実感があまりにもなさ過ぎて、きっと完全には理解できていないのだろう。
私とは正反対の環境で彼は生きてきたのだ。
奏斗はとっても強くて賢くて勇敢で何でもできる人間だと思っていたけれど、その強さの裏にはこんなに重たい悲しみが存在していたのだ。
貴女「大丈夫。これからは私が奏斗を守るから。愛する人ひとりくらい私にだって守れるよ。奏斗を傷つける者は誰であっても容赦しない。」
奏斗はかなりぎりぎりのところを渡っていたんだ。強さと悲しみが紙一重だ。
誰かの愛がなければ彼は消えてしまうかもしれない。
そんな彼が私を選んでくれた。だから私は!!
彼「よかった……。僕のことすべて受け入れて、愛し続けてくれるんだね。ありがとう。」
彼はそればかりを気にする。
貴「お話聞いてて、つらい気持ちにはなったけれど、何も奏斗を嫌いになる要素はなかったよ?どうして?」
彼「……僕は弱い自分が大嫌いだから、一生懸命強くなって、一生懸命勉強して、だれにも負けない自分になって、それでAを愛したから、Aは強い僕がいいと思ってたから、弱い僕を知られると失望されるかもしれないと思ってた……。」
私は彼の思いにキョトンとなった。
貴「ねぇ奏斗、それは間違いだよ。」
彼「え?」
彼も予想外だった私の反応に戸惑った声を出した。
貴「私は奏斗に愛されるほどに、同時に、こんな私でいいのかなって思ってた……。」
彼「そんなこと!!」
間髪入れずに彼が反論するが、私は人差し指を彼の口に持っていき、それに続く言葉を封じた。
貴「うん、大丈夫。奏斗の思いは知ってる。今まで口に出さなかったのがその証拠。でもね、奏斗があんまりにも私には不釣り合いなほど、完璧で優しくて素敵な人で、それに比べてわたしは…って思うことはあったの。だけど今奏斗のことを全部知って、奏斗にもちゃんと人間らしいっていうか、弱さを持った人間なんだって知って、わたし少し安心した。」
貴「奏斗は弱さを見せないように今まで生きてきたんだもん。それは凄いことだけど、反面とても悲しいことでもあるんだよ。これからは、私だけでいいからその弱さと向き合って、その姿を見せてよ。きっと楽になれるから。これからは私も一緒に歩むよ。」
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天使系殿厨ちゃん(笑) - はい!頑張ります!!イラスト本当に本当にありがとうございました!!感謝です!! (2019年11月28日 15時) (レス) id: a7676729d0 (このIDを非表示/違反報告)
ねん@更新不定期(プロフ) - 天使系殿厨ちゃん(笑)さん» わわー!!遅くなってごめんなさい!テスト…そんな時期ですか!!頑張ってください!イラストお気に召されたかわかりませんが、リクエストありがとうございました! (2019年11月28日 12時) (レス) id: a8abc220a2 (このIDを非表示/違反報告)
天使系殿厨ちゃん(笑) - わーーー!可愛すぎた!!テスト勉強で全然読めてなくて、たまたま来てみたらまさかの!イラスト最高過ぎです!!ありがとうございます! (2019年11月24日 13時) (レス) id: a7676729d0 (このIDを非表示/違反報告)
ねん@更新不定期(プロフ) - 日名無 りんさん» お待たせしました!!拙いものですが読んで頂けて嬉しいです!いつも読んでくださっているお礼になったかは分かりませんが、宜しければ今後ともお付き合いくださると嬉しいです! (2019年11月23日 21時) (レス) id: a8abc220a2 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - うわあああ!!最&高です!ありがとうございます!ありがとうございます!!!奏斗君大好きだぁあああ! (2019年11月23日 17時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねん | 作成日時:2017年12月8日 14時