本音ですから、 ページ13
敦くんと鏡花ちゃんの奪還作戦に成功し、ここ数日行方を眩ませていた太宰さんが帰ってきたので、
2人で呑みに来ています。
「ごめんって、Aちゃん…」
「許しません」
「ぅうっ、、、、、、、」
先に口を割ったのはAだった
「爆破テロに巻き込まれたり、敦くんが捕まったり
… 太宰さんがいなくなったり」
「何も言わずにいなくなって、」
「心配するに、決まってるじゃないですか。っ」
「もしかしたら、このまま帰ってこないかもって、もう会えないかもって、」
Aは誰よりも死を恐れている。
自らの死ではない。大切な人を失うことが
彼女にとってなによりの恐怖なのだ。
暗い過去が、その美しい顔に影を落としている
脆くて、危ういのだ。全てが。
悲しい過去が彼女の後ろ髪を引き、喪失のトラウマを植え付けている。
ボロボロに崩れてしまいそうで、
それでも、それすら私は
ー美しいと思ってしまうー
「A、」
「私は、探偵社が命を灯す限り」
「この世界から消えたりはしない。
それにーーー。
「嘘だろう?」
涙を目に溜め 眠りこけているA
「困ったお姫様だねえ 本当に」
ヨコハマの夜景が 何時もより幾分綺麗にみえた
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作者名:ゆらぎ | 作成日時:2019年5月18日 17時