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「じゃ、最終確認


オレはAと離れるつもりは無いから―――」


これは恐らく最終確認ではない


イルミの意思確認だ


彼は潜入中、私と離れる気は微塵もない


私の姿で私の隣に立ち、ターゲットと一緒に行動する私を私の手をとって見るのだと


しかしこれははっきり言って





『邪魔ね』




「そうかな


潜入なんてせずに殺せばいいのに」


周りの人間は要人ばかり


下手に恨みを買う訳にもいかないのだ


騒ぎをおこして話題の的になるのも困る


『このサロンで妻を殺した暗殺者を殺せって依頼が殺到したら面倒でしょ』


「受けなきゃいいだけだろ


そもそも家族内でのイザコザは厳禁だし」


先日、家族を巻き込んで殺気ダダ漏れで喧嘩をした彼のセリフとは思えない


「喧嘩?オレ達喧嘩なんてしてないだろ?


少しじゃれあっただけじゃないか」


ハハハハと無表情のまま笑う彼


『今回の仕事はやっぱり一緒に行けないんじゃ』


「ん?何か言った?」


意地でも意見を変えないイルミにAは小さくため息を吐いた


『それなら隠れて見ててよ


依頼人の話だと中二階もあるらしいし


そこからなら私がどこに行っても分かるでしょ』



うーんと顎に手を添えながら悩むイルミの表情は真剣そのもの


双子の片割れの仕事について行きたいがために悩んでいる人の表情とは思えない


ひとしきり悩むと、彼はすごく不服そうな顔で承諾した


これで、何事もなく終わればいいのだが・・・


女性専用サロン


それは通常、経済や商業に精通した女性達が集まり、意見交換をすることでこれからのお金の動きや政治の流れを把握していくという


至って健全で、なんならこれからの経済を担う大切な場なのだが


今回に至ってはまた一風変わった集まりで


同性愛に溺れた要人たちが、気に入った相手をプライベートルームに連れ込み愛を囁く


そんな集まりなのだ


今回私はその中でも経済界のトップ、“シャロン”という女の暗殺を依頼されている


彼女は美しく仕事は出来るが、気が強くて少し暴力的なのだとか


気に入らないメイドはムチで叩き


女性愛に目覚めてからは子供の頃からの許嫁だったらしい男性も、そのムチで絞め殺したらしい


「随分自分勝手な女」


『だから暗殺依頼が来るんでしょ


・・・顔は綺麗よ?』


薔薇のような美しい赤い髪にブラウンの瞳


スタイルもいい上に仕事ができるのだから憧れの的で評判もいいそうだ


ただひとつ、性格の問題を除けば

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作者名:みこ | 作成日時:2022年7月12日 12時

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