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さて、ここは母さんの管理するローズガーデン


執事が水を撒いた色とりどりの薔薇たちは月明かりに照らされ、キラキラと輝いている


私達は時々、ここでお酒を飲む


静かで綺麗で、ムードがある


夜のローズガーデンは私のお気に入りだ


ワインのグラスを片手にフルーツを食べる私は、イルミの膝の上に座っている訳だが


「・・・で、何か心配事でもあるわけ


オレの上でそんな顔されたら気分悪いんだけどA」


『ごめんイル、ミルキの様子がなんだか変なの・・・』


「ミルキが?何?」



―――――



「ミルキ!!ご飯よーーー!!


・・・どうしたのかしらミルキったら」


甲高い母さんの声が屋敷中に響いている


「おいお前、もういい加減にしないか


ミルキなら腹が減ったら自分から来るだろう」


どうやら次男のミルキが来ないようだ


彼ももう19になる


父さんは母さんと違ってそう甘くはない


ゾル家の食事の時間は決まっている


そこに現れないのだから自分でなんとかすべきなのだ


とはいえ、アニメやフィギュアを除けば食事は彼にとって最も大切な事のハズ


そんな食事の場に現れない弟を心配し、部屋に向かうAは足早だ



―――ガチャ



『ミルキ、入るよ』


―――コンコン


開いたドアの内側を軽く叩いた


「ねーちゃん!!!入る前にノックしてくれよ!!


いつも言ってるだろ!!」


『ごめんごめん、ミルキがご飯を食べないなんて心配だったから』


イルミもそうだが、何か気にかかることがあるとノックどころか声もかけずにまずは扉を開けるところがあるこの双子


その1番の被害者は彼だと言えるだろう




「オレはイル兄と違うんだからな!」


コフー、コフーッと半ば興奮気味に姉に説教をするミルキが少し可愛く見えて頭を撫でる


『何が違うの?


どっちも私の大事な家族よ』


「もっ、もうよせって//!!!」


Aによってぐしゃぐしゃになった髪をポテチを食べた手で軽く直す


「あー、飯だっけ?


オレ今ダイエットしてんだよ」


『ダイエット・・・?』


ミルキの口からそんな言葉が出るとは


明日は槍が降るかもしれない


「だから、しばらくオレの飯はなしでいいってママに伝えといてよ」


あのワガママボディのミルキが、しばらくご飯を抜くなんて・・・


しかし、その傍らにはポテチとコーラ


それならばと、Aは小さな提案を思いついた

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作者名:みこ | 作成日時:2022年7月12日 12時

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