ダイスキナヒト (ページ45)

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結局、今日も目の前に今吉兄妹が居る

なんなんだよ、なんで居るんだよ
そんでなんで俺がAの隣じゃないんだよふざけんな
しかもお前等が居るせいでキスも出来ねえじゃねえか

『…美味しくない？』

いらいらしてぷいっと顔を背けた
それでも心配して声を掛けてくるから席を立つ

「……もういい。いらねえ」

ソファの方に移動してクッションを力任せに抱き締める
顔を埋めたらAの香りが心を揺らした

たった一年の差がイラつく

「花宮はほんまにAが大好きなんやな～」
「中学ん時より悪化しとらへん？前はこんなに我儘ちゃった気がする」
「せやなぁ…こんな気まぐれにゃんこちゃったな」
「やろ？前より女王様風味が増しとる」
「「結果、Aは甘やかし過ぎや」」
『今吉兄妹煩い。ちょっと黙ろうか』

ほら、今吉兄妹が居たら俺の所に来ねえ

じわりと涙が滲んでいく

『まこ、機嫌直してよ』

背後から腕が回ってきて何か冷たいものが首にかかった
そのままちゅっと首筋に唇が触れる

『…あげる』

そう言うと体温を感じなくなった
首元にかかったそれを手探りで触ると絡みつく金属の鎖

急いで振り返るとAが俺を愛おしそうに見ている
彼奴の首にも同じものが掛かっていた

「は…？え、なん、で…？」
『今日、初めて出会った日付から5年目だから』
「え…？……あぁ！？嘘！！？」

カレンダーを見て初めて思い出す

すっかり忘れてた…まぁ今までこんな事無かったしな…