ダイスキナヒト (ページ35)

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『まーこ！練習終わったよ！』
「いった！？」

地味に痛いデコピンに飛び起きたら何故か周りでぐっすり寝ている古橋達
ただし、ヤマを除いて

あれ？俺ってAの膝の上で寝てなかったっけ？なんでベンチで寝てんだ？

「おい待て。何だこの状況は。説明しやがれ」
「花宮が寝てる間に俺も寝るーって原が言いだして古橋と瀬戸が乗ったんだよ
　あ、他の部員は帰ったぜ？一応全部メニュー終わってたから」

シュートを打ちながらそう言った
背伸びをし、ジャージを羽織る

…というかまだ今吉さん居たのかよ。明け方ので帰らず挙句夕方までいるのか
さっさと帰れよ

一蹴りすると寝ていたのか目を覚ました

「…蹴んなや」
「さっさと帰れ妖怪サトリ」
「おーおー怖い顔～ほな退散しよかな」

そそくさと帰ろうとする今吉の動きが止まる
Aが首根っこを摑まえているからだ

『まこ、この後用事あるから皆起こして家に集めといてくれる？夕飯までにはちゃんと帰るから』
「あ、ワシの分はいらんで。流石に二日も泊まるん悪いし」
『そう言って泊まるつもりでしょ？今吉、行くよ』
「バレとったか…はいはーい」

「2人で[また]俺に何か隠し事かよ！ふざけんな！
あの時2人とも俺には隠し事しねえって約束しただろ！！」

大きな声で呼び止めたらぽんぽんと頭が撫でられた
年上の余裕に、俺の余裕の無さに、腹が立つ

『隠し事って言っても…ねえ？』
「まぁ、2時間は帰って来おへんわ」

にっこりと人柄が良さそうな笑みを浮かべる2人
これは…喧嘩売ってきた奴等ご愁傷様、だな…

『待っててね。すぐ帰って来るから』

微かに唇が触れあって先を歩いて行った
追いかけたくてもこれじゃ追いかけれねえだろうが！！

…ほんとは動けるのに。追いかけれるのに…
邪魔になって嫌われるのが怖ぇから…

……追いかけれねえんだ