ダイスキナヒト (ページ30)

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あの後見事に寝過ごした俺とAは急いでいた
別に午後からの練習だったし早く行く必要も無かったから別に良かったんだけどな…

「2人とも遅いな…珍しく寝坊でもしたのか…？」
「それは無いでしょ。俺ならあり得るけどね」
「瀬戸自覚あったんだな！？というか一時間前に集まる方が可笑しいんだけど！！」
「ザキうるさぁーい！耳に響くから止めてー！」

お前も十分うるせえよ、と原にツッコむと携帯から顔を離した

「…ねえ、俺目可笑しくなったかもしれない」
「大丈夫だ、俺にも見えてっから」
「良かった。仲間が居た」

彼奴等が言ってる事はすぐに分かった
だが気にせず体育館の鍵を開ける

「Aせんぱぁい！寝癖ついてるから原ちゃん直したげるー！」
『え？直したのに…』
「お前俺の方先に直したから自分のちゃんとやってなかっただろ」
「花宮猫っ毛だもんねー。A先輩、ほら部室行こ？部室に櫛とか置いてあるからさ」

にこにこ口元を吊り上げながら背中を押していく
それに続く古橋、ヤマ、健太郎

「そんで、なんで着いて来てんだ」
「別にええやん。妹の部活姿も見たいし…何より自分等の日常を見てみたい思てな」
「…邪魔すんなよ」
「毛頭そのつもりはあらへん。邪魔したらAに怒鳴られそうやし」
「その前に俺が首絞めてやるよ」
「おお怖！はよ行こ～」

そそくさと体育館に入っていく今吉さん

割とマジな話だけどな…