ダイスキナヒト (ページ27)

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『…い、おーい…まこー…？』

つんつんと頬をつつかれ細く瞼を上げる
そこには何故か見たくも無い人の姿もあった

俺はメールしてねえし夢だな、夢

「…って、んなわけねえか…誰だよ、此奴に連絡したの」
「此奴って酷いなぁ…妹から連絡来たわ。Aが倒れたーって」

中学時代の3人が揃っている保健室には異様な空気が流れる
傍から見れば普通に他校の生徒が話している光景だろう

「…うちの青峰と桃井、やっぱりAのイメージ悪かったわ。当然、花宮も」

吐き出した言葉は今まで何度も聞いてきた言葉だった
胡麻臭い笑みですら崩れる程ショックだったらしい

「[壊した]のはAやない。幾ら仲間とてAと花宮を傷付けるんは許さへん
　ワシは自分等の味方やさかい、頼ってくれや」

当事者以外は知らねえ事実がある
第三者はAが[壊した]という最低なプレイヤーとして通っているから

それが許せねえ。Aは[壊された]のに

「俺があの時、居なければ良かったのかもな…」

ぽろっと零れてしまった言葉に思わず手で口を塞いだ

これはまずい
何で言っちまったんだよ、俺の馬鹿

『別に私は今の生活気に入ってるし、イメージが悪くたって構わない。もう戻る気も無いしね
　それに、もう[戻れない]から。今の生活邪魔されるのも嫌だし』

中学の頃の面影も無く、塗り替えられたわざとらしい笑顔
猫被り特有の吐き気がする表情

「割れた皿は元には戻らへん。それと同じ事やな？」
『そういう事。あんな奴等と関わるのは二度とごめんだよ…』

歪んだ笑みが1つ、彼奴の口から零れた