ダイスキナヒト (ページ20)

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今日は最初から参加できるらしいAと部活へ

久しぶりだな、こうやって部活の最初からAが居るのって
あー…でも普通ならもう3年生は部活に出ねえのか

「なんでAは部活でてんだよ…」
『そりゃまこ達を近くで見てたいからでしょ』

不意に零れた言葉に直ぐ返事が返って来た

『どうせもうちょっとしか一緒に居れないしね』

儚い微笑みが優しく胸を刺す
手を取って離れたくないと弱音を零せばきっとAは俺と居てくれる

というかまず絶対離れてやらねえ

『まこなら絶対離れないとか言うんだろうけど』
「…よく分かったな」
『それ位の事なら簡単に分かるよ』

指を少しだけ絡め肩に項垂れる
部活の準備もしなくちゃいけないけどこっちの方が大事

「大切なもんは離さねえよ。欲張りだからな、俺は」

Aが居なかったら俺の日常は消えていく
Aが居てこその日常を手放すわけにはいかない

俺がAに見合わねえとかそんな事はとっくに知ってるし別に気にしてねえ
周りの評価がどうだろうと全てを失おうとAだけいればそれで満足

『…まこって1人にさせるとこっちが不安になってくる』
「うっせ。お前も十分過保護じゃねえか」

まぁ、俺の事考えてくれてるって事で許してやる

「さて、部活の準備すっか」