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壱-5 ページ5

何度目だろう

「はっ…朝…」

無我夢中で鬼を斬っていたら、途中から何日経ったかわからなくなった

何日も森の中で生活するのはこれまでの人生で初めてで、全然慣れない

予行演習でもしておくべきだったかなと思う

「あれ?」

歩いていると藤の花が見えてきて、山の中腹へ戻ってきたんだとすぐにわかった

「おかえりなさいませ」
「ご無事で何よりです」

出口には七日前の女の子二人が居たが、それは選別が終わったことを意味していた

「合格者はお二人のみです」
「鬼共が数多く居る山で生き残りこうして戻って来られたこと、心より祝福いたします」

どうやら最終選別はこれで終わりのようで、私の他に受かった人は一人だけだった

あんなに参加者がいたのに…少し残酷にも思えるが、これは序の口に過ぎない

鬼と戦うには、ましてやこの世から鬼を殲滅するには文字通り命が幾つあっても足りないということ

自分は今からこれ以上に残酷な修羅の道を進むのだと思うと、更に身が引き締まる

その後、隊服や階級、鎹鴉について、日輪刀の原料である玉鋼の選択など色々やることがあった

どこか実感の湧かないまま、これからは自分の責務を全うすべく走り続けねばならないと心に誓う

「…私はもう鬼殺隊士なんだ」

ここまで来れたのは自分一人の力だけでは無い

桑島さんが私を信じてくれて、修行させてくれたお陰

そしてこれからは自分の身を守るだけでなく、この手で他の人をも助けられる

私は両親を失ったけれど、これからは私のように家族や大切な人を失うことが無いように

人々の幸せな生活が鬼に壊されない為なら、私が出来る限りは何だってする



「桑島さん、ただいま戻りました!」

桑島さんは、家の前でうろうろ行ったり来たりを繰り返していた

「おお…!!おかえりA!!お前ならきっと受かると信じていたが…本当に良かった、よく生きて帰った…!!」

大きな目から大粒の涙が溢れ出したのを見て、つられて目頭が熱くなる

「もう、泣かないでくださいよ…」

浮かんできた涙を見られないよう、桑島さんの胸に飛び込んだ

「良かった…お前はまだ若いから、やはり心配だったんじゃ…」

「こうして帰って来られたのも桑島さんのお陰です!本当にありがとうございます…!」

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みやびりじゅ(プロフ) - 嬉しいです、ありがとうございます!頑張ります! (2022年11月5日 22時) (レス) id: eaba6d63f6 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華 (ななぼし れいか) - 面白かったです!!更新楽しみに待っています!!! (2022年11月5日 17時) (レス) @page39 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやびりじゅ | 作成日時:2022年1月21日 21時

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