夜明けを導く光【鬼滅の刃】 (ページ34)

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弐-28 ページ34

「柱を倒せば…俺も十二鬼月になれるんだよな…ゲコッ｣

「ったく…てめぇみたいな鬼は気が抜けるな｣

「何だと？！｣

蛙みたいな鬼だった

その身体から出ている粘液に触れると、その部分が固まって動かなくなる

異常に動きも速く、首を狙って近づくと腕やら脚やらを伸ばしてくるので危うく触れられそうになったりする

単独任務だったら駄目だったかもしれないが、今回は二人で戦っているので命の危険は少ない

けれど…本当に厄介だ

すると、師範が小さな声で私に話しかけた

「この鬼はそんなに強くはないけどな…まぁいい、見本を見せてやる｣

「え？｣

師範は私の前に出て、鬼と話し始めた

「おい筋肉、その女も柱か？｣

「柱か…だったらなんだ？蛙｣

「そうか…柱か…柱が二人も…！これであの方に認めていただける…！！｣

「お前何言ってんだ？Aが柱だとは言ってねぇぞ｣

「…は？｣

「脳味噌爆発してんのか？あ、そもそも蛙に脳味噌ってあるか？｣

「おのれ…馬鹿にしやがって…！｣

「俺たちと違って、本能で生きている鬼は何かあるとすぐ攻撃がぐだぐだになる｣

消えていく鬼の灰を見つめながら師範が言った

「確かに…｣

さっきの鬼は激しく怒ってから手当たり次第に戦うようになり、冷静に的確な攻撃が出来なくなっていた

「自分より強いやつと戦うことになった時…お前みたいに正々堂々と実力でやりあうのも良いが、相手の弱点を突くのも派手に大事なんだよ｣

煽り…か

今まで大真面目に鬼を斬ってきた私にとっては考えもしなかった

私は女だし、その前にまだ子ども…

確かに強い鬼と互角に戦うのは限界がある

師範はそれを考慮した上で教えてくれているんだ

よし、これからは裏技もどんどん使わないと！

「これからは師範のように、どんどん鬼を煽っていきたいです！｣

「こんな話も素直に聞いてくれんのかよ…純粋って恐ろしいな｣