弐-18 ページ24
「四千九百二、四千九百三、四千九百四、…」
午前中の少し肌寒い空気を感じながらいつもの素振りをする
もう冬になるんだなぁ…師範の継子になってもうすぐ二ヶ月になる
でも未だに師範に一本入れることは出来ていないし、鬼ごっこでも師範を捕まえることが出来ない
これで合格が貰えるのだろうか
自分では、最初に比べて体力や筋力も着いたし、光の呼吸にも慣れてきたと思っている
任務の時もすぐに鬼の首を斬れたから技の速度も上がった気はする
それでもまだまだなのか…合格が貰えなかったらどうなるんだろう
まさか見捨てられることはないと思うけど、また一からやり直しになるのかな
「四千九百九十七、四千九百九十八、四千九百九十九、五千!!…ふーーっ!!終わったぁ…!!」
「おー、派手に頑張ってるなぁ」
「うわっ師範!」
相変わらず師範は気配を隠すのが上手すぎる
「A、この稽古は今もきついと思うか?」
師範が急に真顔になり、思わず身構えた
「きつくないと言えば嘘になりますが…かなり慣れてきましたし、以前ほどは疲れません」
「それなら、稽古の難易度を上げても大丈夫そうか?もう二ヶ月経ったからなぁ」
「…えっ」
それは、継子になってから出された二ヶ月分の課題はもう終わり…つまり合格したということを意味する
「っ…はい!!どれだけ難しい稽古でも全力で頑張ります!」
嬉しい…目頭が熱くなり、涙が浮かんできた
「ありがとうございます!!…でもなぜですか?私、師範に勝ったこと一度もないですし、指一本すら触れられてないのに」
「ハハッ、この宇髄天元様に勝つなんて百年早えーよ!俺が合格だと判断したのは、A自身の成長を見てだ」
師範は微笑んだ
「Aは俺が想像していたより遥かに成長した。それに加えて挫けない根性、真面目に稽古に励む姿勢。それもあって合格を決めたんだ」
そうなんだ…ちゃんと頑張ってきてよかった
「これからもよろしくお願いいたします!どんなに苦しい稽古でも、決して挫けず日々精進いたします!」
「おう!派手に頑張ろうな!」
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みやびりじゅ(プロフ) - 嬉しいです、ありがとうございます!頑張ります! (2022年11月5日 22時) (レス) id: eaba6d63f6 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華 (ななぼし れいか) - 面白かったです!!更新楽しみに待っています!!! (2022年11月5日 17時) (レス) @page39 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みやびりじゅ | 作成日時:2022年1月21日 21時