弐-19 ページ25
新しい訓練が始まってしばらく経つ
外は雪が積もり、室内で稽古をしていた
木刀の乾いた音が響く
「Aどうした?体が固まってるぞ」
「すみません!寒くて全身の筋肉が硬直してて…!!」
「そりゃ派手だな」
師範が私の脇腹に木刀を当てて止めの合図をし、震えている私を見て微笑んだ
「そうだA、ちょっと光の呼吸の型を見せてくれ」
「え」
型を作ったこと知ってるの…?
「何だその信じられないっつー顔は。ほぼ毎日稽古してたら気づくっての。構えろ、これで体温も上がるだろうよ」
急なことで緊張する。改めて人に、それも師範に見せるなんて
そう思いながらもとにかく構える。ゆっくり、深く息を吸って…
光の呼吸 壱ノ型 光陰流転
壱ノ型は、霹靂一閃を私に合った力量で更に速さと精度を上げた技
そして思い切り踏み込み、飛ぶ
弐ノ型 光風霽月
そのまま空中で宙返りする
参ノ型 有明の月
着地して思い切り回転をかけて刀を振る
肆ノ型 迅雷
そして光速の突き技
伍ノ型 光芒閃光
最後は速さが肝心な八連撃!
陸ノ型 瞬く光彩
「師範…どうでしたか…?」
一通り終えて振り返ると、師範が少し俯いて固まっていた
酷かったのかな?どうしよう…
すると師範は急に顔を上げた
「お前…やるじゃねぇか!!身軽さを生かした速度はもちろん、回転をかけるのが上手いなぁ!」
そう言って私の肩を軽く叩く
嘘、師範に…褒められた…
「肆ノ型の回転に捻りを加えるともっといいんじゃねぇ?そうしたら残像ができるから敵の目を撹乱させられる」
「えっと…こう…ですか?」
回転をかけて高速で捻り、移動してみる
「あぁ!これからもっと練習して極めてみろ」
「はい!」
「あと参ノ型の…」
こうして今日は丸一日師範と考えて、
漆ノ型 蛍火残照
捌ノ型 日暈
玖ノ型 払暁
他に三つの型も作り、光の呼吸の型をほぼ完成させた
ようやく"自分の技"を完成させるまでの…大切な一歩を踏み出すことが出来た
170人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みやびりじゅ(プロフ) - 嬉しいです、ありがとうございます!頑張ります! (2022年11月5日 22時) (レス) id: eaba6d63f6 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華 (ななぼし れいか) - 面白かったです!!更新楽しみに待っています!!! (2022年11月5日 17時) (レス) @page39 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みやびりじゅ | 作成日時:2022年1月21日 21時