◇第弐話 ページ3
、
「えー、では最後に重大発表がある」
土方さんがそういうと、一気に真選組内がざわめく。
どうせ今日非番の奴はお姐さんに頭下げに行ってこいとか、そういう事かと思った。
……でも違ったんでィ。
「知っている通り真選組は男所帯だ。むさい。という訳で、実験的に女の隊員が今日から一緒に仕事する」
予想以上の重大発表だと。隊員達は喜んでらァ。
俺ァそういうのに興味無いんで、ひたすら眠い煩い寝たい。
「じゃあ入れ」
「あっ、はい」
女の声がして、襖が開いた。
サイズのデカい隊服を身に纏い、黒髪を簪で束ねた平均的な身長の女。
嘘だろィ。
なんで、
なんで
「……A」
彼奴が此処に。
「はじめまして。諏訪Aです。
女ですが、頑張ります!」
今日からの新人は、俺が何年も忘れられなかった女だった。
「近藤さん、土方さん、総悟とは昔知り合いでした。宜しくお願いします」
確信だ。確信犯だ。
此奴、こいつは。こいつも。
俺の事を忘れてなかった。
それだけで嬉しかった。
「……っ」
何か声を掛けようとして、勢い余って細い身体にしがみつく。
体の大きさは変わった。だけど、こいつは、Aだ。Aの匂いがする。
急に抱きつかれて吃驚して固まってたAは息を吹き返したかのように、落ち着いて俺の背中を撫でた。
「……ずっと、会いたかった。総悟」
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作者名:眠い人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nemuihito71/
作成日時:2017年5月20日 2時