七十六寮 ページ29
エリスside
『まぁ親のことも…その通りだしな』
気に入らない事があると食事に毒を盛ったり、殴ってきたりなんて日常茶飯事だった。
リドルがまた俯いた。
ﾘﾄﾞ「人に酷いことを言ってしまった…またママに怒られる…」
『あのさ』
ﾘﾄﾞ「？」
僕はしゃがんでリドルと同じ目線になった。
『ここは家じゃねぇぞ』
『
『確かに親みたいに過保護な奴はいるけど、友達として注意してるだけだ』
リドルの目を真っ直ぐに見て言った。
そうしないと、すぐ話を逸らすだろ？
ﾘﾄﾞ「ｯ！……だけど、ボクを責めてくる奴がいた！」
『それは間違ってたら正すのが仲間だろ？』
ﾘﾄﾞ「でもっ！ママが！」
『だから……』
僕は胸ぐらを掴んで言った。
『ママが、ママがって、うっさいんだよッ！』
『此処にはお前の“意志“を尊重している奴しかいないって言ってるだろッ！』
『トレイ先輩やケイト先輩、デュース、エースにグリム、イヴ！』
『そして僕はッ！！お前自身を見てる！』
『ルールで塗り固められたお前じゃなくて！』
僕は胸ぐらを離して、リドルの心臓を指した。
『“リドル・ローズハート“自身を見てるんだっ！』
ﾘﾄﾞ「！？」
リドルが目を見開いて、今までに流したことないほどの量の涙を流した。
ﾘﾄﾞ「本当に…？………ルールを破っても怒らない？」
『怒る訳ないだろ…。大体お前は真面目すぎだ！ちょっとだけならルールを破ってもいいんだぞ！』
ﾘﾄﾞ「そっか………そう…なのか…」
リドルは涙が溢れ出ながら笑顔になっていく。
そっちの方がいつもの何倍もいいな。
僕はリドルに手を差し出して、笑って言った。
『帰るぞ、リドル』
ﾘﾄﾞ「ｯ……うん！」
僕とリドルは歩いて光がある方へ歩いた。
ﾘﾄﾞ「…ありがとう、エリス」
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作者名：正岡蘭華 | 作成日時：2020年6月27日 15時
