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七十三寮ページ26

エリスside

～ｱｶきしﾊいシｬの悲しい話～

＿＿『ここは……』

身に覚えのない場所…。

僕はさっきまでハーツラビュル寮にいたのに…。

「八歳の誕生日おめでとうリドル。
今年のお誕生日のケーキは、頭が良くなるレシチンたっぷりの大豆粉とナッツの低糖質ケーキよ」

……名前だけでも不味そう…。

ﾘﾄﾞ「ありがとう、ママ……
でも、あのね、ボク……一度でいいから真っ赤な苺がたくさん乗ったタルトが食べてみたいな……」

この声は……リドルか？

そうするとこの女の人は……母親？

「まあ、なんてこと言うの！あんな砂糖の塊みたいなお菓子、毒みたいなものよ。一切れで一日分の糖質の理想摂取量をオーバーするわ」

ﾘﾄﾞ「……はい。ママ」

スイーツくらい与えてやればいいのに。

『……これだから親は…』

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

ﾘﾄﾞ「ボクはずっと」

ん？……この声は…。

ﾘﾄﾞ「真っ赤な苺のタルトが

食べてみたかった。

たまに通りかかるケーキ屋さんの

ショーウィンドウに飾ってある

宝石みたいなタルト」

するとまた女の声が聞こえた。

「本日の古典魔法の勉強はここまで。明日までに今日の勉強に登場した魔法倫理学における言語哲学の数本を50ページ予習しておくこと」

ﾘﾄﾞ「…はい、お母様」

幼い頃からこんな教育受けてたのか……。

ﾘﾄﾞ「分刻みで詰め込まれる

ありとあらゆる学問

出来なければ出来るまで延長される学習時間。

でも、これがボクの

“普通”だった」

『………』

“普通“……ねぇ……。

そして場面が変わる。

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