六十二寮 ページ15
エリスside
〜ハーツラビュル寮〜
「おい聞いたか？ローズハート寮長に決闘を挑む奴がいるらしい」
「“あの”寮長に？正気とは思えねえな。5秒で首をはねられて終わりだろ」
「でも寮長就任以来、初の挑戦者だ。久々の決闘、見に行こうぜ！」
エース、デュースがリドル先輩に寮長の座をかけて決闘を挑んだことは既にもうハーツラビュル内でかなりの噂になっていた。
ｹｲ「エースちゃんとデュースちゃんが寮長の座をかけてリドルくんに決闘を挑むって！？
マジで言ってんの？」
ﾄﾚｲ「俺も止めたんだが……。エリスに上手い具合に言いくるめられた……はは」
ｹｲ「言いくるめられたって、何があったの……。
ったく、無謀なことすんなぁ〜。面倒なことにならないといいけど」
ﾄﾚｲ「ああ……」
ザワザワと寮生達が話している。僕は手を叩き静かにさせた。
『これよりハーツラビュル寮の寮長の座をかけて決闘を行う』
辺りに僕の声が響き渡る。
『挑戦者はエース・トラッポラ。
そしてデュース・スペード。
挑戦を受けるのは現寮長である、
リドル・ローズハート』
僕の合図でフィールドに立つエースたち。
エースとデュースは僕と後ろにいるイヴとグリムに手を振った。
するとリドルが2人に話しかけた。
ﾘﾄﾞ「キミたちがボクに決闘を挑むと聞いて耳を疑ったよ。本気で言ってるのかい？」
ｴｽ「あたりまえじゃん」
ﾃﾞｭ「冗談で決闘を挑んだりしません」
ﾘﾄﾞ「フン。まあいいや。
それじゃあさっさと始めよう」
ｹｲ「リドルくん、今日の午後のお茶の用意はどうする？」
ﾘﾄﾞ「愚問だね。ボクのお茶の時間は毎日キッカリ16時とルールで決まっている」
ｹｲ「でももう15時半を過ぎてるけど……」
ﾘﾄﾞ「ボクが遅刻をすると思うのか？どうせすぐ決着がつく。
そういうわけで、ボクには時間がない。1人ずつ相手をするのも面倒だ。2人纏めてかかっておいで」
「いいぞー！寮長！」
「軽く捻っちゃってくださーい！」
ハーツラビュルの寮生たちの声援が凄くうるさい。
『話の途中だから話してもいいか？』
僕が圧をかけながら言うと全員黙った。
始めからそうしてればいいのに…。
『学園長が投げたこの手鏡が地面に落ちて割れるのが始まりの合図だ。学園長、お願いします』
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作者名：正岡蘭華 | 作成日時：2020年6月27日 15時
