【バチカン奇跡調査官】〈熾天の預言者と天彩の祓魔師〉 (ページ10)

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第二章　主は全智にして全天の視界をもつページ10

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「……今のはどうやったのかな、是非聞きたいものだな」
幾つかの遊戯を終えてロベルト神父は柔らかくジョークを口にした。
「あら嫌だわ、プッチーニ神父・・・そんなの主による暗示です」
その瞬間、ロベルト神父の表情が変わった。
「シスター・エキドナ、タイムだ。ロベルト神父、立てるか？」
　ぐったりと顔色の悪い彼の肩を支えた。
「……平賀。三分ほど時間をくれ」
「ロベルト、大丈夫ですか？」
彼の背を擦る。
「人殺しの罪を、主は御許しにはならないと告げていますわ、ニコラス神父。どんなに家名から逃げようとも」
彼の手がボクの修道着の布を固く掴んだ。そこが限界地点だ。ボクは銃を構える。
「あら、それをやれば貴方は」
「殺傷力の一切無い弾丸の為の特別なピストルだ。シスター・エキドナ。それ以上無駄口を叩くのなら貴方を悪魔の子として教会に異議申し立てを立てて、地獄のようなエクソシズムを行うぞ」
ボクの脅しに彼女はクスリと微笑んだ。
「神父。大丈夫ですか？」
「……ああ、平気、だ」
「エドワルドを呼びましょう。貴方は部屋へ」