10.一歩一歩… ページ11
目覚めてはじめに目に付いたのは真っ白な天井だった。ツンッとはなをつく医薬品の匂い。
「あ、目が覚めたのね」
声のする方に目を向けるとそこにはエミリーがなにやらカルテのようなものを書きながらこちらを見ていた。
『……』
起き上がろうとするが上手く体に力が入らない。
「だめよ、まだ起き上がっちゃ。
痛みは感じないかもしれないけれど貴方の体が限界なの。…ねぇ、A。貴方の外在特質を全て教えてくれない？」
『…？(コクリ)』
私は自分の特質についてできるだけ細かく紙に書きエミリーへ見せた。
するとエミリーは何故か一瞬悲しそうな表情になり、私にこう言った。
「……貴方は痛みを感じないのよね…でもね、それは体が出している命に関わるサインを感じ取れないという事なの。貴方にはこのゲームは危険だわ」
『…(わかっています。それでも私はゲームしたい。どうしても叶えたい願いがあるんです。)』
私には願いがある。
それを叶えるために私はここに来たし、今私が生きているのも荘園の主がこのゲームに私を招待してくれたおかげだから。
「そう…そこまでいうなら止めないわ。
でもね、無茶はしないで。チェイス中4発殴られたらその場で止まってハンターに従いなさい。この事はハンター達にも言っておくわ。命に関わるからね。
わかった？」
『………(コクリ)』
これで今回みたいなチェイスはできなくなってしまった…残念…
「…ふふ、貴方、意外と表情豊かなのね、むすっとしてないで今は寝なさい！」
はーい…
………………ん？？？？？
表情？？？？
『…！！！！』
私は慌てて自分の顔を触った。
ない！！！仮面が！！！
それにフードも！！！！！！！
見られてしまった。
こんな醜い姿を…
焦りと絶望感で目の前が真っ暗になりそうだ
「大丈夫、仮面をつけていなくてもここの人達は貴方のことを受け入れてくれるわよ。むしろ仮面がある方がみんなから警戒されてしまうわ」
『…(そう…ですかね)』
「ええ、きっとそうよ」
エミリーはにっこりと微笑んだ。
きっと母親というものはこん感じなのだろう…
こころがぽかぽかした。
心配して、私の外見も受け入れてくれる。
私は涙が出そうなのを堪えて、小さな声で呟いた。
『……あ、りが、と…』
「…！！どういたしまして！」
そのあとエミリーの話を聞きながら私は意識を手放した。
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ナナ(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！^ - ^ 納棺師Aランカーってめちゃめちゃ凄いですね…！！自分も納棺師ランカー目指してたんですけど、やっぱりマイナーキャラだと野良の人にいろいろ言われちゃったので諦めてしまいました…；；自分の分まで頑張って下さい〜〜！笑 (2020年3月21日 3時) (
レス) id: bfcb47d8b7 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - 面白い！！これからもガンバー！ (2020年2月13日 19時) (レス) id: 4b674ab2ae (このIDを非表示/違反報告)
ひのき(プロフ) - みなさん» ありがとうございます！亀更新ですが、ゆるゆるとお付き合いいただけると嬉しいです(*^^*) (2019年11月6日 8時) (レス) id: 98b5d953ca (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - とっても面白いです！更新楽しみにしてます！これからも頑張って下さい！応援させていただきます！！ (2019年11月5日 19時) (レス) id: be41d6f584 (このIDを非表示/違反報告)
ひのき(プロフ) - 三千幸さん» ありがとうござます…！！楽しんで読んでもらえて嬉しいです！絵を描くのは好きなので…(´∀｀=)褒めてもらえて光栄です…！ (2019年10月26日 18時) (レス) id: 98b5d953ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひのき | 作成日時：2019年10月21日 6時
