204〈進めない君に〉 ページ40
慧side
僕はずっとひとりぼっちだった。
誰も手なんか差しのべてくれない。
ヒカリなんてない。
そんな世界で僕はひとり立っていた。
薄暗い街中、声を出せば助けてくれるのか？
行き交う人々
怖い
苦しい
辛い……
この世界は先が見えない。
僕の歩く道はない。
僕の生きる道はない。
「僕？ここでどうしたの？」
優しい声で僕に話しかける。
暖かい手、頻りに確認する時計。
ぷっくりとした唇。
僕に見せるキラキラとした笑顔。
お願い……その笑顔で僕を見ないで。
そんな笑顔を向けられるような綺麗な子じゃないの。
僕は汚い子。片目のない可愛くない化け物。
僕には眩しいの。その笑顔も、この場所も、この世界も僕には眩しすぎる。
「慧が進めないなら俺も進めるようになるまで待つよ。」
「俺と慧は2人で1人だから」
。
ぼんやりとした頭で天井を見ていた。
いつもと同じ景色。
ここは……宏太のベッド。
起き上がると顔に触れた。
あの日のことはハッキリ覚えてない。
気づいたらひかに抱きしめられてて、気づいたら宏太が俺に泣きながら謝っていた。
きっと何かあったんだ。
自分の顔に巻かれた包帯を見ればわかる。
それでもあの日のことは聞かなかった。
聞いちゃいけないと言うより、聞かなくてもいいと思ったから。
慧「慧は、宏太に足を貸してあげるよ。」
宏太「足？」
慧「宏太がずっと止まってるから、進めるように！」
宏太「……そうか。ありがとう」
雄也「慧くん、俺がその足欲しいな。」
慧「だめ！宏太のなの！」
光「振られたな。」
大貴「まぁ……うん。ドンマイ」
。
宏太……慧は宏太が進めないのなら、いつまでも一緒にその場で止まっているよ。
あの日からずっと慧を支えてくれたように、
慧は宏太の隣に居るから。
。
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華代(プロフ) - はじめまして。 一気読みでしたが、素晴らしい作品で、感動しました。 また初めから読んでみたいと思います。本当にお疲れ様でした！ (2021年2月4日 18時) (
レス) id: d952e3b0da (このIDを非表示/違反報告)
まる - 今までお疲れ様でした！俺らシリーズ含め猫チャロさんの作品が大好きです。占ツクから離れた時期もこの作品だけは思い出しては読み返していました。完結まで書いて頂き感謝しかありません。この作品に出会えたことを幸せに思います。 (2020年8月6日 4時) (レス) id: 9463c2f9d9 (このIDを非表示/違反報告)
You(プロフ) - チャロちゃん居なくなってごめん。影でずっと見てたよ。今までおつかれ様でした！悠樹 (2020年2月14日 11時) (レス) id: 6822cd0dae (このIDを非表示/違反報告)
光音 - こんばんは。今お話読ませてもらいました。猫チャロさんのお話、大好きです。伊野尾さんのキャラ設定、私の中のどストライクでした。これからもまだ読んだことのない猫チャロさんの子供、読ませてもらいます。ありがとうございました。 (2020年1月27日 20時) (レス) id: df7638da7e (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - 今までありがとうございました。そして、お疲れ様でした。寂しいですが、猫チャロさんの子供たちを大事に大事に読み返そうと思います。このアカウントを作って活動を始めたのは、猫チャロさんのお話を読んで感動したのがきっかけでした。人生を変えてくれてありがとう。 (2019年11月15日 1時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)
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