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side,Kota



光「薮は、俺とどのくらい一緒にいたの?」


宏太「光とは…何年だろうな。中学生の時から…かな。」


光「結構長い付き合いなんだね。」


宏太「まぁな。…だから、何話してもいいんだぞ。」


1度俺をみてから少し黙る。


悩んでから口をゆっくりと開いた。


光「薮は、いつ記憶が戻ったの?」


宏太「今日の朝。」


光「だいぶタイムリーだね。」


ははと笑ったあと、話しを続ける。


光「…記憶…戻ってよかったと思った?」


宏太「…そりゃあ、良かったと思った。


嫌な思い出もあるけどそれでも、モヤモヤがなくなってよかったよ。」


そっか…と呟き、もう一度服をぎゅっと握った。


光「俺…怖いんだ。記憶が戻るのが、」


宏太「え?」


光「…そりゃあ楽しかった記憶もあると思う。でも…


今の人生半分以上が辛いことだったような気がする。そんな思い出に向き合う強い心がない。」


わかるよ。俺だって記憶が戻らなくてもいいと思ったことある。


施設に入った当初なんて、記憶を消したいとしか思ってなかったし。


それでもさ


宏太「辛くても、その出来事がないと今の俺はいないでしょ。


光も、慧も高木も大ちゃんにも会えてなかった。そう思ったらちっぽけな出来事だよ」


きっとそうだ。今が幸せならいい。


宏太「この先もっと、もっと辛いことがあっても、それでも…俺らは生きていく。」


みんながいる限り、闇に落ちることは無い。


宏太「俺は皆が居てくれればそれが、生きる理由になるから。だから…光の記憶が戻って落ち込んだとしても


俺は光がいてくれる限り、慰め続けるよ。」



。。

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華代(プロフ) - はじめまして。 一気読みでしたが、素晴らしい作品で、感動しました。 また初めから読んでみたいと思います。本当にお疲れ様でした! (2021年2月4日 18時) (レス) id: d952e3b0da (このIDを非表示/違反報告)
まる - 今までお疲れ様でした!俺らシリーズ含め猫チャロさんの作品が大好きです。占ツクから離れた時期もこの作品だけは思い出しては読み返していました。完結まで書いて頂き感謝しかありません。この作品に出会えたことを幸せに思います。 (2020年8月6日 4時) (レス) id: 9463c2f9d9 (このIDを非表示/違反報告)
You(プロフ) - チャロちゃん居なくなってごめん。影でずっと見てたよ。今までおつかれ様でした!悠樹 (2020年2月14日 11時) (レス) id: 6822cd0dae (このIDを非表示/違反報告)
光音 - こんばんは。今お話読ませてもらいました。猫チャロさんのお話、大好きです。伊野尾さんのキャラ設定、私の中のどストライクでした。これからもまだ読んだことのない猫チャロさんの子供、読ませてもらいます。ありがとうございました。 (2020年1月27日 20時) (レス) id: df7638da7e (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - 今までありがとうございました。そして、お疲れ様でした。寂しいですが、猫チャロさんの子供たちを大事に大事に読み返そうと思います。このアカウントを作って活動を始めたのは、猫チャロさんのお話を読んで感動したのがきっかけでした。人生を変えてくれてありがとう。 (2019年11月15日 1時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:猫チャロ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年10月6日 18時

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