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穴をおりている途中、ふと先頭を歩いていたブラックが振り返り私の方を見た。教授の手に少しだけ力が籠った。
「A。君にはずっとお礼を言いたかったんだ。」
『何のです？』
「私の世話をしてくれたろう、あの森で。」
森？思い当たる節が無く、私は眉を顰めた。
いや、待ってほしい。確か彼はアニメーガスになれるのだったか。
ということは。
『まさか、あの黒犬は…』
「はは、今頃か。そう、あれは私だ。飢えていた私を君が救った。本当にありがとう。」
彼は私の空いている手をぎゅっと両手で握った。
教授とは少し違う、荒さのある節くれだった手を渋々握り返す。
そして、彼は私の耳朶に口を寄せて抑えた声で話した。
「スニベルスには近づかない方がいい。君はこいつとは違う。」
『…私に多少なりとも恩義を感じているのなら、呼び方を変えて、侮辱しないで。黒い犬が全て嫌いになりそうだわ。』
私が彼を睨むと、彼は眉を上げて肩を竦めた。
教授はその間ずっと前を向いたままで、どんな表情をしているのか読み取れなかった。
じきに穴の終わりが見え、暴れ柳の麓へ出た。
月明かりが私達の影を照らした、その時だった。
前を歩いていたルーピン先生が立ち止まった。
ブラックは彼に異変を感じ、私達を制止した。
教授はひゅっ、と息を飲むと、声を響かせた。
「離れろ！奴は今日、脱狼薬を飲んでいない！」
ルーピン先生の体はめきめきと狼人間の体へ変身していった。
それを見たブラックは、あの黒犬の姿になった。
そして、私達が彼の変貌に呆気を取られているうちに、ピーターは元のネズミの姿へと変身していた。草むらを合わせてて駆けだすピーターを捕らえようとしたが、狼人間が大きく吠えた。
教授は生徒を守ろうと、ポッターや私の前に出た。
狼人間が私たちの前まで迫った時、黒犬が狼人間の首元へと噛み付いた。ブラックだ。
2匹はそのままもみくちゃになりながら、奥の森へと消えていった。
ポッターとハーマイオニーはブラックが傷付く声を聞いて、彼らのもとへ駆けていった。
私もポッター達と2匹を追いに、奥の森へと走り始めた。
『教授は校長へ報告を。此方は任せてください。』
「まて、危険だ！ここにいろ！」
『私達生徒がブラックについて報告しても、信憑性がありません。お願いします、私を信じてください！』
教授と数秒間視線が交わる。
「すまない、任せた」そう声が聞こえた瞬間、私は再び足を動かした。
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猫田(プロフ) - ななおさん» ありがとうございます！コメント本当に励みになります。これからも面白いと思って貰えるようなお話かけるよう頑張ります！ (2月21日 1時) (
レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななお - アズカバンの囚人までお疲れ様でした‼︎毎回面白くて楽しく読ませてもらってます。これからも作者様のペースで頑張ってくださいね (2月21日 1時) (レス) id: cf12d55d58 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます！お休みでフレッシュした分1層頑張ります (2月18日 14時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - お疲れ様です😆🎵🎵気長に❤️ (2月14日 8時) (レス) @page41 id: 9b994bebe6 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - みぃさん» 嬉しいです！ありがとうございます (1月28日 22時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田 | 作成日時：2024年1月9日 9時
