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『そういえば』
私がぽつりと言葉を零すと、教授は視線をこちらに寄こした。
『教授、ルーピン先生とポッターの父親、ブラックと同級生だったんですか？』
私の言葉を聞いた教授は不自然に瞳を揺らした。
そして、控えめにああ、と返事をした。
『被害を抑えるためにもポッターを狙うブラックについて知りたいのですが、…何かありませんか？』
「… …収監されて当然の人物だ。」
私の問いに教授は、色々なことを押し殺すように深呼吸をしたあと、ただ一言そう答えた。
彼の瞳は、いつかのように濁っていた。纏う雰囲気は、彼の怒りを体現したかのようにピリついていた。
『… …教授は何か、あったんですか。ルーピン先生やブラックや、ポッターの父親と、学生時代に。』
口から勝手に飛び出した、直接的に彼の過去を探る言葉に自分自身で驚いた。同時にやってしまった、と激しい後悔に駆られた。それでも、自分なら、彼と少なからず関係を構築してきた自分ならば、彼の深淵について教えてくれるのではないかという期待もあった。
「__そう易易と、踏み込むな。…迷惑だ。」
そんな気持ちは的外れで、私は自分が愚かだという事を思い知らされた。
当たり前だ。嫌な記憶を無理やり思い出させるなんて、誰でも嫌がるに決まっている。教授も、私が話すまで、ただ待ってくれていた。こうするべきではなかった。
『… …すみません。』
それでも、何となく、悲しかった。悲しいなんて身勝手にも程があるけれど。私は視線を珈琲に戻した。
「… … …いや、すまない。気遣っているのは伝わっている。」
私はぱっと視線を上げた。
教授らしくない言葉に驚いた。今までだったら、これから暫くは口を効かずに、時間をとって関係を修復していたから。
だから、少しだけまた期待をした。もしかして、と。
だが、その期待は粉々に打ち崩されることになった。
「だが、君は君のことだけを考えればいい。…私の、私のことは私にしか理解できない。」
それは、酷く優しい″拒絶″だった。
それから数週間後、ホグズミード週末がやってきた。
私は前の抜け道を使って、ドラコ達と色々な店を見て回った。
とても楽しく、幸せだった。
「A、何かあったのか？」
そのつもりだったのに。ドラコは私と2人になるタイミングで、私にそう告げた。付き合いが長いというのも考えものだ。
私は冗談交じりに眉を下げて笑った。
『フラれちゃったの』
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猫田(プロフ) - ななおさん» ありがとうございます！コメント本当に励みになります。これからも面白いと思って貰えるようなお話かけるよう頑張ります！ (2月21日 1時) (
レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななお - アズカバンの囚人までお疲れ様でした‼︎毎回面白くて楽しく読ませてもらってます。これからも作者様のペースで頑張ってくださいね (2月21日 1時) (レス) id: cf12d55d58 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます！お休みでフレッシュした分1層頑張ります (2月18日 14時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - お疲れ様です😆🎵🎵気長に❤️ (2月14日 8時) (レス) @page41 id: 9b994bebe6 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - みぃさん» 嬉しいです！ありがとうございます (1月28日 22時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田 | 作成日時：2024年1月9日 9時
