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しんしんと雪が降り積る季節の空気が部屋に入ってきた。
顔に触れる空気は冷たくて、どうしようもなくベッドから出たくなくて、もう起きる時間だと言うのに私は毛布を頭から被った。
真っ暗だけれど、あたたかい、そんな空間に小さい衝撃が加わった。
「A、もう朝よ、起きなさい。」
その衝撃は母が布団を揺すった衝撃のようだった。曖昧な返事をしながら、私は頭だけを布団から出した。
少しだけ困ったような顔をした母と目が合った。
『お母さま、もうすこしだけ…。』
「今日はお父さんとホグズミードへ行くんでしょう？置いてかれちゃうわよ。」
ああ、そういえば昨日父と約束したんだった。ホグズミードの三本の箒へ行って、バタービールを飲むと。
なんとも魅力的で、昨日から楽しみにしていた。それでも、この寒さに気圧されてしまっていた。
「少し、出発を遅らせようか。」
私が渋っていると、丁度話を聞いていたのか、部屋のドアから父が入ってきて、私に笑顔を向けた。そのまま父は私のベッドの傍にある椅子に座り、私に小指を向けた。
「その代わり、その時は絶対起きること。約束できるか？」
『もちろんよ！…ありがとう、お父様。』
私は差し出された小指に自身の小指をからませて、約束した。
そんな私たちの様子を見た母は眉を下げて微笑んで、私に毛布をかけ直してくれた。
そして、未だうとうとしている私の頭を撫でて、小さく鼻歌を歌った。それが心地よくて、私は簡単に眠りに誘われてしまった。
眠りに落ちる寸前に、父が母に真剣な顔を向けて、いつもより真面目に母に話す声色を聞いた。
「…ナタリア、例の…____」
『っは、…。』
動悸がする。自分でもわかるくらいに、心拍数が上がっていく。
最後の一言はなんだ？聞き間違え？いいや、そうでは無い。間違いなく、耳に入ってきていた。そういう記憶だった。
でも、そしたら、どういうこと？
だって、父が読んだ名前は、
「ああ、さすがだ、学生のうちにこんなにも戦えるなんて。さすが、ナタリアの娘だな！」
リドルが、ヴォルデモートが、呼んでいた名と同じだ。
分からない。何も、信じられなくなる。もう、私を起こしに来てくれる人は居ない、ひとりぼっちになってしまった部屋で、震えを抑えるように手を握った。
母は、ナタリアというのだろうか？そうだとするならば、私が知っているピオーネという名は？
私の母は、いったい、誰なの？
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猫田(プロフ) - ななおさん» ありがとうございます！コメント本当に励みになります。これからも面白いと思って貰えるようなお話かけるよう頑張ります！ (2月21日 1時) (
レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななお - アズカバンの囚人までお疲れ様でした‼︎毎回面白くて楽しく読ませてもらってます。これからも作者様のペースで頑張ってくださいね (2月21日 1時) (レス) id: cf12d55d58 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます！お休みでフレッシュした分1層頑張ります (2月18日 14時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - お疲れ様です😆🎵🎵気長に❤️ (2月14日 8時) (レス) @page41 id: 9b994bebe6 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - みぃさん» 嬉しいです！ありがとうございます (1月28日 22時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田 | 作成日時：2024年1月9日 9時
