42 ページ46
ポッターは酷く驚いた様子で私を見つめた。なぜ知っているのか、本当なのか、色々な疑問が詰まった目だった。
そんな時、どこからともなく音が聞こえた。その方向に目を移すと、大きな鳥が組み分け帽を持ってこちらへ飛んできていた。
「不死鳥だな…」
不死鳥はポッターの前に組み分け帽を落とすとどこかへ飛び立ってしまった。それを見たリドルは笑い、ダンブルドアが味方に送ったものはそんなものか、と馬鹿にした。
「さて、本題に入ろうか、ハリー。僕は過去2度君を殺し損ねた、君はなぜ生き残った？」
「僕自身もわからない。でも、なぜ君が僕を殺せなかったか、僕にはわかる。母が、僕をかばって死んだからだ。昨年見た逃げ隠れする君とは違う！」
ポッターの怒りに満ちた声を聞き、リドルはわなわなと震えたあと背筋が凍るような冷たい笑みをうかべた。
「そうか。母親が君を救うために死んだ。なるほど。それは呪いに対する強力な反対呪文だ。結局君自身には特別なものは何もなく、幸運だったからに過ぎないのか、それが分かればもういい。」
リドルは目を細めると、ポッターと同じくシューシューと口から音を出した。そう呟かれた途端、奥の石像からなにか蠢くものが見えた。_それは大蛇、バジリスクだった。
私は咄嗟に顔を背けた。そして数秒後、大蛇の声にならない苦しみを帯びた雄叫びを聞いた。
ちらりと目を開けると、先程の不死鳥がバジリスクの両目を潰していた。
しかし、バジリスクは見えないながらもポッターに襲いかかった、私には見向きもせずに。リドルはまたシューシューと言葉を吐き、ポッターはトンネルの奥へと走っていった。
「…さあ、A。忠告をしたのにな？言うことが聞けないのか？」
『ポッターに協力するなと？従うわけ無いわ。』
「物分りの良い部下が欲しいんだ、僕は。仕置をしないとな。」
『やれるものなら』
私たちは互いに呪文を繰り出した。
赤い閃光がばちりと一瞬で溶け合う。休む暇もなく、破裂音がそこらじゅうで響いた。
「ああ、さすがだ、学生のうちにこんなにも戦えるなんて。さすが、ナタリアの娘だな！」
『ナタリア？私の、母の名はピオーネよ！』
呪文を必死でいなしながらそう口にすると、彼はああ、そうかと深い笑みを携えた。
そして、突然バジリスクの咆哮が再び響いた。
リドルも驚いたようにそちら側の方向に目を向けると、生き残った男の子、ハリー・ポッターがバジリスクに銀色の剣を突き刺していた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 254人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マニ。(プロフ) - 猫田さん» ✉️。わかりました！これからも更新応援してます！ (1月5日 15時) (
レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - マニ。さん» ありがとうございます！お気持ちは大変嬉しいのですが、今はこちらの作品の更新に集中したいと思っているので失礼ながら遠慮させて頂きます;; ですが、お話したいと思って下さって凄く嬉しかったです！ありがとうございます (1月5日 15時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - もちもちさん» ありがとうございます！亀更新ですが、よろしくお願いします (1月3日 4時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち - とっても面白いです！作者様のペースで更新頑張ってくださいね！ (9月18日 15時) (レス) id: c72e216da9 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - 箱さん» こちらこそ、読んで頂けて嬉しいです！ありがとうございます (2023年2月25日 14時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：猫田 | 作成日時：2023年2月9日 21時
