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「交渉に応じてくれた場合の君の対価に関して。」
組んだ手が口元を隠し、表情は読みづらいが深い笑みを向けられている気がした。
「君の家族に関する情報だ。」
私は目を見開いた。驚きの故に声すら出なかった。それは、私にとってどんな果実よりも甘美で、最も求めている物だった。
「魅力的だろう？その代わり、君は今回のことについて首を突っ込むな。」
『今回のことって…。』
「薄々気づいているだろう？秘密の部屋についてだ、より詳しく言うなら…ハリー・ポッターに関わるな。」
瞳を一層鋭くした彼は、恨めしそうに、自身の手を見つめた。
「今の僕は酷く不安定でね、今回上手く行けば完全な実体を手に入れられる。」
『ヴォルデモート卿復活の手助けをしろと？』
「同列に扱われるのは癪だが、あながち間違いでは無い。」
冷や汗がつうと流れていくのがわかった。
私が今回何もしない″だけ″で私の母のことを知れる。
それに、復活したとしても自分に関係する所では無い。
危険な目にあうのはポッターなのだから。
そう、苦しいほど分かっていたとしても。
1人の少年を危険に晒す選択ができる程、私には勇気がない。
なにより、黒い外套を着たあの人がどうしてもチラつくのだ。
恋や愛、情なんかは私の最も苦手とする所だが、彼の今までの努力を無に帰すなんて、私に出来るはずがない。
『それは、出来ない。』
私がそう呟くと、彼は目を大きく見開いた。そして、狂ったように笑った。顔を抑える手の隙間から、あの赤い瞳が見えた。
「そうか、そうか。お前はまだ情に縋るのか。」
「まあ、いい。お前が全てを知った時、僕に与することは決まっている。さあ、部屋から消えろ。」
私は警戒をとかないまま、ソファをたった。
『…さようなら、リドル。』
「ああ、待て。」
彼は最後にソファから身を起こした。長身の彼は私へ近づいてくる。
瞬間、彼の方から赤い閃光が目まぐるしい速度で私へ飛んできた。私は、無我夢中に無言呪文で防御魔法を展開する。
「反応速度もいい。…ああ未来の僕が君に執着する理由がわかったよ、A。」
そう言って、リドルはじりじりと距離を詰め、私の手首を掴み顔を近づける。
「絶対に手に入れてやる、覚悟しておけ。」
怒りを感じさせる狂気じみた顔が目の前に広がる。
瞬間、私は父親のトラウマがフラッシュバックし、リドルの手を無理やり解いて部屋を後にした。
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マニ。(プロフ) - 猫田さん» ✉️。わかりました！これからも更新応援してます！ (1月5日 15時) (
レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - マニ。さん» ありがとうございます！お気持ちは大変嬉しいのですが、今はこちらの作品の更新に集中したいと思っているので失礼ながら遠慮させて頂きます;; ですが、お話したいと思って下さって凄く嬉しかったです！ありがとうございます (1月5日 15時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - もちもちさん» ありがとうございます！亀更新ですが、よろしくお願いします (1月3日 4時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち - とっても面白いです！作者様のペースで更新頑張ってくださいね！ (9月18日 15時) (レス) id: c72e216da9 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - 箱さん» こちらこそ、読んで頂けて嬉しいです！ありがとうございます (2023年2月25日 14時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田 | 作成日時：2023年2月9日 21時
