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さらさらとした黒髪を揺らしながら、頬杖をつく赤い瞳の生徒は、全くの知らない顔だった。誰もが見蕩れてしまうような顔であるのに、噂すら聞いたことがない。
私は彼に目を奪われると同時に、背中につうと冷や汗を流した。
彼の纏う雰囲気は尋常では無い、禁忌を犯したような真っ黒な闇。それが彼を取り巻いていた。
極めつけは、視界の端でグリフィンドールの少女が倒れているのを捉えてしまったのだ。それに、あの顔は見覚えがある、ウィーズリーの妹だ。
ああ、やっぱり来ない方が良かったかもと思いながら私は後ろ手でゆっくりと杖を手にした。
「警戒しなくていい。少なくとも、君に被害は与えない。」
『もう既に他人に危害与えている人の言葉をどう信じれば？』
「これは寝てるだけだ。いいから、ここへ。」
有無を言わさぬ赤い瞳が煌々と光り、私を捕える。逆らう事も得策ではないと、指示された向かいのソファに腰を下ろす。
『貴方が、T.M.リドル？』
「ああ、リドルと読んでくれて構わないよ、A。」
『なぜ私の名前を知っているの、それに貴方は生徒ではないでしょう？』
「質問ばかりだな、まあ仕様がないか。たしかに厳密には僕は生徒では無い、今は亡霊のようなものだ。君の名前を知っている理由は後で話そう。」
目を細めて笑うリドル。妖艶さと恐ろしさが入り交じるその笑顔に、私は辟易する。
『私を、呼んだ理由は？』
「君が僕のたった1人の理解者だからさ。だから、彼女の力を借りて無理に実体化までしている。」
そう言いながら、床に転がる彼女を冷たい瞳で一瞥した。
彼は足を組んで、私を熱っぽく見つめる。
「会いたかった、君に。猛烈に。」
普通の女子生徒が聞けば、頬を赤く染めるだろうが、私は眉を顰めるしか無かった。そんな私の反応に小さく笑いを零し、彼は私に言葉を吐いた。
「さて、君の名前を知る理由だったかな。端的に言えば、僕が過去のヴォルデモート卿だからだ。」
『は、…。』
耳を疑った。私の反応に満足したらしい彼は笑みを深めて言葉を続ける。
「未来の僕とは色々と共有していてね、君のことも知っている。未来の僕も君のことを知っていたろう？」
そこで私は、クィレル先生から抜け出したヴォルデモート卿の亡霊が必ずお前を迎えに行くと私へ呼びかけたことを思い出す。
『一方的にね。それで、私はどうしろと？』
「___交渉だよ。」
彼の前髪の隙間から見える赤い瞳がより一層赤く光った気がした。
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マニ。(プロフ) - 猫田さん» ✉️。わかりました！これからも更新応援してます！ (1月5日 15時) (
レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - マニ。さん» ありがとうございます！お気持ちは大変嬉しいのですが、今はこちらの作品の更新に集中したいと思っているので失礼ながら遠慮させて頂きます;; ですが、お話したいと思って下さって凄く嬉しかったです！ありがとうございます (1月5日 15時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - もちもちさん» ありがとうございます！亀更新ですが、よろしくお願いします (1月3日 4時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち - とっても面白いです！作者様のペースで更新頑張ってくださいね！ (9月18日 15時) (レス) id: c72e216da9 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - 箱さん» こちらこそ、読んで頂けて嬉しいです！ありがとうございます (2023年2月25日 14時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田 | 作成日時：2023年2月9日 21時
