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要らない杞憂ですよ。教授、と笑った少女は、いつも以上の実力を見せた。
自寮生となにやらトラブルがあったらしい彼女は、数日前焦燥し切っていた。そして、ミセスノリスが石化された折には私に対して、何も心配いらない、首を突っ込むなと言いたげな顔で私を拒絶した。
子供ながらに自分に頼れ、という癖、私には踏み込ませないと？
この報復をどうしてやろうと考えていたが、先刻の頭を下げた姿を見て、その考えは霧散した。
どうやら、自分は思った以上にこの生徒に対して甘いらしい。
そんな事実に腹が立ち、つい呪文の出力を強くしてしまった。
『わっ！』
すると、彼女の手からばちんと杖が弾きとんだ。
彼女は手加減してたんですかと私に問うた。
「いや、今のは呪文が乱れただけだ、手本にするな。」
分かりました、と彼女が返事をしたと同時に、この場にそぐわぬ能天気な声が部屋に響いた。
「スネイプ先生！少し相談したいことが…ん？取り込み中でしたかな？」
その声の主はライラック色のローブをわざとらしげに翻すロックハートだった。傍に居たアシュリーは、顔を顰め、私の後ろへ控えた。
「手短に願えますかな。」
「いやいやいや、実はですね！私、これまで数々の経験をしてきまして、そんな「手短に、願えますかな。」」
私が口を挟むと、笑顔を少し歪ませて、ロックハートは大きく咳払いした。
「1週間後に開催する決闘クラブで、スネイプ先生には私の相手役をお願いしたいのです！」
「… は？」
「身を守る術を生徒に教えたいと思いまして！」
自分の見せ場を作りたいという考えが見え透く誘いを受ける奴が何処にいるのだ。
「スネイプ先生の専門は魔法薬学ですから、怪我の心配があるなら無理強いは致しません。万が一、全治1ヶ月の傷を負ってしまったら、私の担当科目が増えてしまいますので！」
その言葉を聞いて、アシュリーが私の前へ1歩出た。
『… その決闘お受けしますよ。きっと後悔すると思いますが。』
そう吐く彼女の首根っこをつかみ、小さい声で抗議する。
「何を言っている！」
『すみません、癪に障って…私の恩人をあそこまで罵倒するなんて…。』
「とはいえ、なぜ君が返事をする！」
「それでは頼みましたよ！」
ばたり、と大袈裟に扉が閉じられた。
私も教授もあれにはイライラしてますし、一泡吹かせましょう、と呑気な彼女の頭を軽くはたく。
彼女は、いて、と声を零し、私は今日何度目かのため息をつくのだった。
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マニ。(プロフ) - 猫田さん» ✉️。わかりました！これからも更新応援してます！ (1月5日 15時) (
レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - マニ。さん» ありがとうございます！お気持ちは大変嬉しいのですが、今はこちらの作品の更新に集中したいと思っているので失礼ながら遠慮させて頂きます;; ですが、お話したいと思って下さって凄く嬉しかったです！ありがとうございます (1月5日 15時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - もちもちさん» ありがとうございます！亀更新ですが、よろしくお願いします (1月3日 4時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち - とっても面白いです！作者様のペースで更新頑張ってくださいね！ (9月18日 15時) (レス) id: c72e216da9 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - 箱さん» こちらこそ、読んで頂けて嬉しいです！ありがとうございます (2023年2月25日 14時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田 | 作成日時：2023年2月9日 21時
