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その夜、教授とぎくしゃくし始めてから、最初の指導日の時間であった。深呼吸してから、私は地下室の扉をこんこんとノックする。
入れ、といつもの声が聞こえて、私は扉を押した。
部屋の雰囲気は私が思っていた以上にいつも通りだった。
彼はいつも通り、執務机に向かっていた。
とは言っても、何もせずに「いつも通り」に戻るなんて、おこがましい。
私は扉を後ろ手で閉めると同時に、教授に向かって頭を下げた。
『すみませんでした、教授。』
「… … 何がだ。」
『教授を突き放すような態度を取ってしまって。』
どうしても、貴方には弱い所は見せたくなくて。それに、″穢れた血″の1件に対して、教授は私と似たトラウマのような物を持っている気がしたのだ。私がこの事を相談した夜、彼の纏う雰囲気はこっくりとした闇だった。
私の前から、大袈裟なため息が聞こえた。
続けて、頭を上げろという声も。
私が頭を上げると、先程と同じように彼は執務机に向かっていた。
ただ一点違うのは、少しだけ表情が和らいだ、ような。そう思いたいだけかもしれない。
「… ひと段落ついたのか。」
『はい。ご迷惑おかけしました。』
「なら、良い。」
ぶっきらぼうに、書類に目を通しながら言葉を吐く教授につい笑を零した。こんなにもあっさり謝罪を受け入れてくれるとは。優しすぎる教授に私は頭が上がらなかった。
私は二人分のコーヒーを入れて、教授の近くの席に着いた。
『ああ、そうだ。定期報告なのですが、ポッターは秘密の部屋について強い関心があるようです。』
「くだらんな。大方、先程のふくれ薬を爆発させたのもそれの為、というところか？」
『あぁ、はは。どうでしょう。』
ハーマイオニー私が言う言わない関わらず、バレていたみたい。
「持ち出されたものは何だ？」
『…恐らくは、二角獣の角と毒ツルヘビの皮、ですね。』
眉間のシワをこれでもかと深くして、問いただす教授に私は為す術なく、口を割ってしまうのだった。
材料を聞くと、ポリジュース薬かと教授は小さく呟いた。
そして、ため息をつくと彼は席を立った。
それを見て私は同様に立ち上がる。彼が席を立つのは、指導を始めるという合図だった。
「アシュリー、私は今、すこぶる機嫌が悪い。久々の指導で、教え子が腕を落としていたら、指導を打ち切りにする位にはな。」
『要らない杞憂ですよ、教授。』
私達は互いに向き直り、杖を向けた。
瞬間、閃光がばちりと溶け合った。
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マニ。(プロフ) - 猫田さん» ✉️。わかりました！これからも更新応援してます！ (1月5日 15時) (
レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - マニ。さん» ありがとうございます！お気持ちは大変嬉しいのですが、今はこちらの作品の更新に集中したいと思っているので失礼ながら遠慮させて頂きます;; ですが、お話したいと思って下さって凄く嬉しかったです！ありがとうございます (1月5日 15時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - もちもちさん» ありがとうございます！亀更新ですが、よろしくお願いします (1月3日 4時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち - とっても面白いです！作者様のペースで更新頑張ってくださいね！ (9月18日 15時) (レス) id: c72e216da9 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - 箱さん» こちらこそ、読んで頂けて嬉しいです！ありがとうございます (2023年2月25日 14時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田 | 作成日時：2023年2月9日 21時
