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その日の夜、ドラコの姿が瞼から離れなかった私はそっとベッドから抜け出した。
私は声をかけるべきだったのだろうか、そんなことを悶々と考えながら談話室に向かう階段を下りる。
そして私が伏せていた目を談話室のテーブルへ向けると、見知った後ろ姿があった。
それは、ドラコその人だった。
私はつい、足を止めてしまった。けれど、余りにも彼が消えてしまいそうな儚い雰囲気を纏っていて、放っておくなんて出来なかった。
「僕には、失望したんじゃなかったのか？」
私は何も反応せずドラコの後ろを通り過ぎ、2人分のコーヒーを入れて彼の隣に少し距離を開けて座った。
テーブルにコーヒーを置いても、彼の目は暖炉の火に向けられていた。
「Aが来るんじゃないかって、予感がしていた。」
私は顔だけを彼の方に向けた。
今だけは、ぎくしゃくしていたことなど忘れて、彼に言葉をかけたい。
暖炉の音がぱちぱちと響く。
『諦めないよね？』
「…。」
ドラコは少しだけ目を見開いた後、俯いた。
『ドラコは聞いたよね、私にクディッチの選手になれるかと。あの時は、不安で聞いたのかもしれないけれど、聞く必要なんて無かったのよ。』
『貴方は、ドラコはドラコが思っている以上に凄いから。後は、貴方がもっとあなた自身のことを信じてあげればいいの。』
そう言って、私はドラコの両手を自分の両手で握った。
それに彼はびくりと反応した後、俯いていた顔を少し上げた。
「…僕も、君に言わなきゃいけないことがあるんだ。」
そう言って彼はしばらく呼吸を繰り返した。
私は急かさず、ただ彼の言葉を持つ。
「君と、距離が離れた後、ずっと考えていた。」
「僕は、良くないことを、したのかと。」
言葉につまりながら、ゆっくりと話すドラコを私は必死に受け止める。
「差別用語を実際に吐く友人を見て、失望する君の気持ちも何となく、理解出来た。けれど、胸に何かがつかえていて、僕の非を認められなかった。」
「だが、今日のことを通して、腑に落ちたんだ。僕はポッター達に対して過剰に反応してしまっているのかもしれないと。それが、その胸のつかえをとったんだ。」
だから、とドラコは言葉を続けようとする。
両手からは震えが伝わってきて、私はその震えを落ち着かせるように両手を握り直した。
「悪かった、A。」
彼は真っ直ぐにこちらを見た。
その日、およそ数ヶ月ぶりに私と彼の視線が絡まった。
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マニ。(プロフ) - 猫田さん» ✉️。わかりました！これからも更新応援してます！ (1月5日 15時) (
レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - マニ。さん» ありがとうございます！お気持ちは大変嬉しいのですが、今はこちらの作品の更新に集中したいと思っているので失礼ながら遠慮させて頂きます;; ですが、お話したいと思って下さって凄く嬉しかったです！ありがとうございます (1月5日 15時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - もちもちさん» ありがとうございます！亀更新ですが、よろしくお願いします (1月3日 4時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち - とっても面白いです！作者様のペースで更新頑張ってくださいね！ (9月18日 15時) (レス) id: c72e216da9 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - 箱さん» こちらこそ、読んで頂けて嬉しいです！ありがとうございます (2023年2月25日 14時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田 | 作成日時：2023年2月9日 21時
