【おそ松さん】先輩、大好きです！

30　ひどい人。 ページ31

＊




なぜ、こうなったのだろう。



「……こいつ、俺のだから」

距離が近い。
なぜ私は今、最近話をしていない先輩に接近しているのだろう。




(え？なにこれ…)

次のコンクールのため、カラ松先輩と劇の練習をしていたところ
突然、チョロ松先輩が現れた。



(……ていうか…




“俺の”って、なんで)


こんなのまるで、ベタな少女漫画ではないか。



私は今、どんな表情をしているのだろう。
斜め上にあるチョロ松先輩の顔に目をやると、

(……！)




私を見つめて、頬を赤く染めていた。

見ていられなくなり、救いを求めるようにカラ松先輩を見る。




「＿＿＿＿＿ﾅｯｲｽｿｳﾙだぜ、ﾌﾞﾗｻﾞｰ！」

直訳しよう。
『良い魂だ男兄弟』





「………は…？」

ﾎﾟｶﾝと口を開け、疑問府を浮かべる先輩。




(……あれ、)


先輩が、前とは少し違う。
なんとなく＿＿＿＿私を女の子として、見ているような。




では、私がカラ松先輩と一緒にいることに嫉妬したり、

(なーんて……



…確かめてみるか)




「……先輩…
演技ですよ？告白の演技の、“練習”」



先輩は、
みるみる顔を赤らめていった。

(なんで、真っ赤になるんですか)




「……え…あ、はい………」


どうやっても、感じてしまうではないか。
先輩の“好意”を。





(兄弟とお似合いだとか言ったし

ずっとほっといたくせに“僕の”とか

これまでも、私はずっと先輩に好きって伝えたのに)




そのような気持ちを一切表情に出すことなく、チョロ松先輩に話しかける。

私は、感情を隠すのが得意だから。
先輩とは違って。





「……チョロ松先輩…



厨二っぽかったです。」


(…まったく、ひどい人ですね)

31　これだから。→←29　どうか。

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