【おそ松さん】先輩、大好きです！

18　お似合い。 ページ19

＊




「先輩、



デートしましょう！」

「……は？」


私はチョロ松先輩の教室に行き、大きな声で話しかけた。


「で、デート…って何言ってんのお前」

「そのままの意味です。今度の日曜日は部活もないですし、ね？」




チョロ松先輩にもっとアプローチするべく、持ち前の行動力を発揮した私。


(それに、もうすぐ先輩の…


誕生日だもん)




「行かない」

「えーなんでですか！なんか予定とか…！？」

「それは別にないけど…」


ここで来てもらわないわけにはいかないので、断固として引き下がらない。




「……じゃあ、もう言っちゃいます。
お誕生日、一緒にお祝いしたいんです！」


本当は驚かせたかったのだが、仕方がない。
チョロ松先輩はキョトンとした顔をしていた。可愛い。




「誕生日…って、俺の？」

「そうです！それ以外誰がいるんですか！」

「あと5人いるけど。」
「それはそうですけど。」


この人は、どうしてこうも自分中心に考えられないのか。



「カラ松先輩に聞いたんです。ていうか、自分から
『次の火曜は聖なる日…』
とか言いにきました」

「……カラ松」




(……やっぱり今日のチョロ松先輩、変)

私を見た瞬間、目をそらしたり。
いつもより、口数が少なかったり。




「誕生日、か…





カラ松を祝ってやったら？」

思った通り、おかしい。



「…え〜何言ってるんで」
「同じ部活で仲良いしね、二人。




お似合いだと思うけど」


いつもと同じ口調で、声で、速さで言葉を発する先輩。

顔はうつむいていてよく見えない。
いや、見たくない。




「…ﾊﾊ、そんなこと言わないでくださ……」


笑ってみても。

(……無理、)



私はチョロ松先輩に背を向け、自分の教室へ走り出した。

(いつもなら、絶対逃げたりしないのに)





「……“お似合い”は、きっついなぁ…」

好き過ぎて泣くのなんて、初めてだった。

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