16 結構まじで。 ページ17
先輩side
＊
「……ふぅ、疲れた」
終わった仕事の山を前に息をつく。
「やーっと終わったの？お疲れ様〜」
一つ前の椅子をこちらに向けて座るトド松。
相変わらずスマホをいじっている。
「なんかさぁ、生徒会って仕事多すぎない？」
「まあね。これなんかぜっっってー生徒会の仕事じゃねぇし…」
僕が担任から押し付けられたら仕事は、生徒アンケートを読む、というものだ。
内容を見ていじめがないか確認するらしいが…。
(これ、俺が読んでいいのか？プライバシーは…！？)
「てゆーか
Aちゃんはー？僕Aちゃんに会いたくてチョロ松兄さん待ってたんだけど！」
「…」
(勝手に待っておいて、何言ってんだこいつは…)
トド松とAは2、3回会ったことがある。元々女の子好きなトド松だが、Aのことはいつも以上に気に入ったようだ。
「……Aだったら、放課後は部活で忙しそうだよ」
出来上がった書類を片づけながらトド松に答える。
「え〜！
前までは放課後もチョロ松兄さんと一緒だったのにー」
「あいつが勝手に来てただけだし」
トド松はスマホをさわる手を止め僕の顔を真正面から見てくるが、僕は尚も目を伏せたまま話す。
「……じゃあ、Aちゃんから来なかったら会わないの？
そんなんだったらとられちゃうけど」
「…は、」
(え、なにこいつ急に……)
妙な笑顔。
いつものあのあざとさとは少し違う。
「だってあんなに可愛いんだよ？ほっとくほうがおかしいって」
「…お前、Aのこと好きなの？」
「うん。結構まじで。」
さらっと質問にこたえる末弟。
(…さすがドライモンスターってか)
「それに、Aちゃんがチョロ松兄さんのこと好きじゃなくなるってこともあるかもしれないしね」
「……別に、俺は……」
(Aのことが好きなわけじゃ)
ない。
のに、なぜかはっきりとそう言えない。
(……は？
なんでだよ俺しっかりしろ！！
相手はあのA！まぁ確かに可愛いし俺のこと好きでいてくれてるけど……じゃなくてっ！！)
「あーそうだったね。じゃあ、僕のは聞かなかったことにでもしといて〜」
トド松はそれだけ言って、教室を出て行った。
「……あいつのことは好きとかじゃなくて…、
後輩！」
僕は自分に言い聞かせるようにそう言った。
ラッキーナンバー
8
ラッキー松
十四松
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねこの鈴(プロフ) - サクラさん» ご提案ありがとうございます(^_^)考えてみます！ (2019年1月9日 0時) (
レス) id: 584a944f31 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - その後話がほしいです！ (2017年12月19日 20時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
ねこの鈴(プロフ) - 名無しさん» おぉぉありがとうございます！がんばります!! (2017年7月5日 18時) (レス) id: d39605c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - チョロ松可愛い！天使かよ！？これからも頑張ってください！ (2017年7月5日 0時) (レス) id: d73813ddeb (このIDを非表示/違反報告)
ねこの鈴(プロフ) - No.7 クラゲ松さん» 私も〜愛してますよチョロ松ぅ〜ありがとうございます〜！/// (2017年6月21日 22時) (レス) id: d39605c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねこの鈴 | 作成日時：2016年4月4日 16時
