マフィアな私達の同居生活【中原中也】

最期に 1 ページ43

最上階の操作室。
ここだけは総員出動の例外なようで、一人の構成員が操作パネルと向き合って作業をしていた。

私の異能は一対一が鉄則。そして発動までにコンマ数秒を必要とする。
中也みたいに銃弾が効かない訳では無いけれど、敵の出会い頭の攻撃を避ければ、異能が発動して私には攻撃できなくなる、否、しなくなる。

でもまあそれは対峙した時の話であって、今みたいに敵の後ろを取っている時は＿＿＿

空気を裂くような鋭い音が響いた。
私が構成員の利き手を銃で撃ったからだ。
痛みに歪んだ顔が振り替えって私の存在を認める。

異能力『四分五裂』

すうっと目に何かが吸い込まれ、一瞬空気が歪んだ。

「…交代の時間よ。手を治療してきたら？」

「ああ、助かる。頼んだぞ」

腕を押さえながら操作室を出る男を見届けてから、かなり雑な刷り込みをしてしまったなと苦笑する。


監視カメラの映像をチェックしつつ、バックアップ許可の認証キーを入力し、USBを差し込む。

「中也」

『＿＿＿どうした』

「操作室に潜入完了。今バックアップの最中よ」

『了解＿＿こっちも後は異能力者だけだ』

「了解。切るわね」

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