ロイヤルパープル ページ33
優雅なクラシックが流れる会場。
天井には年季の入った、でも豪華で綺麗なシャンデリアが輝く。
上質なスーツに身を包んだ首領にエスコートされながら、不躾でない程度に会場を観察すればテレビで見る芸能人や政治家もちらほらいるが分かる。かなり規模の大きいパーティーだ。
私は先程から首領によって紹介され数人に対して異能を発動させ、“私は彼らの古くからの研究仲間だ”と刷り込んだ。
因みに彼らの共通点は表は研究者、裏の顔が在る組織の幹部であることだ。
「A君、次は彼だよ。今日の主賓だ」
先程からずっと笑顔を絶やさずに前を見据えたままの首領が私にしか聞こえない小さな声で呟いた。
前方から、たっぷりと髭を蓄えた大柄な男性が歩いてくる。海外ブランドのタキシードに赤い蝶ネクタイが印象的だ。
「彼も首領だよ」
成る程。
今までの数人は幹部。首領であるこの人が大本命という訳か。
「やあ今晩は。森医師」
「黒堂社長、お久し振りです」
双方にこにこと挨拶をする。
私も微笑を浮かべて時機を待った。
首領が何気なく私に視線を流す。
それにつられ、黒堂社長が首領の横にいる私に視線を移した今___
異能力『四分五裂』
すっと社長の目に何かが吸い込まれる。
辺りの空気が一瞬止まり、そしてまた動き出した。
「やあやあ松本君じゃないか。君も来ていたんだね」
「ええ社長。社長もお元気そうで安心致しましたわ」
親しげに私の肩を抱く黒堂社長。
にこにこと応じる私。
本当はここで初めて出会ったとしても、既に社長と私は旧知の仲なのだ。
「松本君、是非一曲どうかな」
「ええ、勿論です」
他意の無い笑みに快く承諾する。
ダンスホールは着飾った男女で溢れていた。
社長のエスコートで簡単なワルツを踊る。
軽くターンすれば、ロイヤルパープルの裾が軽やかに翻って気分が良い。
本当に綺麗なドレスだ。任務でだとしても着れたことが素直に嬉しい。
やはりエリス嬢のセンスは侮れない。
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中也不足が続いてます。申し訳ない。
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ねこつりー(プロフ) - かれんさん» ふふふ中也は何させても様になりますからね( 〃▽〃) (2018年4月30日 12時) (レス) id: b59e44559a (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 中也かっこよすぎです。 (2018年4月30日 11時) (レス) id: 529a00cb8e (このIDを非表示/違反報告)
ねこつりー(プロフ) - rikoriko51さん» 丁度彼の誕生日だったのでギザな台詞を言って貰いました笑 コメントありがとうございます!凄く嬉しかったです(T^T) (2018年4月30日 7時) (レス) id: b59e44559a (このIDを非表示/違反報告)
rikoriko51(プロフ) - HappyBirthday中也! 更新頑張ってください!楽しみにしています。 (2018年4月29日 23時) (レス) id: a789258bf1 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 楽しみにしてます! (2018年4月28日 18時) (レス) id: 2c537c1151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねこつりー | 作成日時:2018年4月20日 22時