マフィアな私達の同居生活【中原中也】

同居報告と似顔絵 ページ12

「君達、遂に同棲を始めたそうだね」

「只の同居ですよ」

「ん？いやしかし紅葉君がねえ」

「姐さーん…」

うっすらと予感はしていたが、やっぱりこうなった。

まず朝一に私は姐さんに相談をしたのだ。
結構真面目な相談として話していたつもりだったが、姐さんの袖で隠れた口元は始終ニヤニヤふふふ。結局同棲ということで首領に伝わってしまった。



「A君、此方としては全く構わないのだよ。A君が今回潜入してくれたNYの組織については、中也君が壊滅までを担当することになっている。何かと都合が良い、寧ろ最適解だろうね」

首領は組んだ足を入れ替え、私に意味深な笑顔を作った。…この笑顔には逆らえない。

「……承知致しました。ではそういうことで宜しくお願いします」

「A！」

ずっと首領の横でお絵描きをしていたエリス嬢が私にまた似顔絵をくれた。

「これ、中也じゃ…」

「Aにあげるわ！」

「あ、ありがとうございます」

エリス嬢のお絵描きを頂くのは何時もの事だが、流石に中也の似顔絵を貰ったのは初めてだ。

割りと色使いが好きでいつも執務室に貼ったりなんかしているのに。これどうしたものか。



取り敢えずしっかり一礼して首領の執務室を後にした。

首領と姐さんは何かと私と中也をくっつけたがる。困ったものだ。私と彼は普通の仲の良い友人なのに。

そこに恋愛感情なんて……無いに決まってる。

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