君と今日も明日も2 (ページ36)

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次は俺たちだページ36

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その反動で飛び上がった弔は、護送車両のフロントガラスをを個性で崩壊させてハンドルをわざと回して護送車両を横転させた。

間一髪のところでスナッチが運転手を救出していたが、その背後には荼毘が待ち受けていた。

「そうそう、ヒーローは人命を優先しちまう。」

と荼毘が腕から蒼い炎を出しながら言うと

「…ここ最近、各地で焼死体が相次いで見つかってい
　る…。」

と話始めたスナッチ。

「お、噂になってる？
　嬉しいね。」

と荼毘が笑うと

「遺族の気持ちを考えた事はないのか！！」

とスナッチは砂塵で作り出した獅子を放つが、荼毘はそれを蒼炎で防ぐ。

そして、Mr.コンプレスと連携してスナッチを圧縮し封じ込めた。

一方オレたちは、護送車両からオーバーホールを引き摺り出していた。

「なぁにが『次の支配者になる』だ。」

と弔が言うと

「殺しにきたのか？」

と虚ろな目をして答えたオーバーホール。

「いーや…。
　おまえが最も嫌がる事を考えた。
　俺はおまえが嫌いだ。
　偉そうだからな。」

と言う弔に続けて

「俺も！」

と言ったMr.コンプレスは、個性でオーバーホールの左腕を圧縮した。

先日の仕返しだ。

「コレさぁ、二箱あるけどどっちが完成品？
　まぁ…いっか。」

と弔は弾丸の入った箱の中を確認した。

「…返せ。」

と言うオーバーホールに

「あのな、オーバーホール。
　個性消してやるって人間がさぁ、個性に頼ってちゃ
　いけねぇよな。」

と言って右腕に五指で触れた弔。

オーバーホールの右腕はビキビキと音を立てて崩壊していく。

「あーあ、切り離さないと塵になっちまうな。」

とオレは氷で作ったナイフで崩壊していくオーバーホールの右腕を手錠ごと切断した。

「崩壊せずに済んで良かったな！
　親切だろ？」

とオレが笑って言うと

「これでおまえは無力非力の無個性マン。

　おまえが費やしてきた努力はさぁ！
　俺のもんになっちゃった。

　これからは咥える指もなく、ただただ眺めて生きて
　いけ！！

　頑張ろうな！！」

と弔が続けた。

弔の狂気を含んだ笑みが、至極楽しそうだ。

「すぐ追手が来るぞ！
　早く乗れ！！」

とスピナーが全員に声をかける。

「次は、俺たちだ。」

と言い残した弔と共に、オレたちはトラックに乗り込んだ。

後にはオーバーホールの叫び声だけが響いていた。