革命の光 3【サボ】 (ページ3)

今日:5 hit、昨日:5 hit、合計:109,419 hit

噂のあの人ページ3

「誰だ、てめぇは」

男達がテンガロンハットの男に注目する。

テンガロンハットの男は私にたかっていた男達を飛び越え私の前に立つ。

「よぉ。嬢ちゃん、助けてやろうか。」

そう言った男の顔には覚えがあった。

どこで見たんだっけ？

考えていると男達が怒りの表情を浮かべて距離をジリジリと縮めて来ていた。

「俺達に喧嘩を売って、
覚悟はできてんだろうな。」

「何の覚悟だよ。」

と言ってその男は腕を思いっきり引く。

その行動はまるで人を殴る前の動作だ。

でも男達との距離は二メートルある。
届くはずがない。

何をする気なの？

男の手、腕が炎に包まれる。
いや、炎になるという表現の方が正しい。

能力者か。まずい。

「ひけ……」

『待って！』

私は男に飛び付き動きを止める。
武装色を纏っているので火傷はしないが服が燃えるし、何より熱い。

「何すんだよ！」

『こんなところで騒ぎを起こすな！
早くこの場所を離れよう。』

「何でお前の言うことを聞かなきゃいけないんだ。俺は闘う。」

バカなのか、こいつは。

その言葉が心の中て言ったのか、口から出たのか分からない。

私はその男をおいて走り出す。

裏町で騒ぎを起こすなんて、ただ悪目立ちするだけでこれからの行動に差し障りが出る。

それに今私は仮面をつけていない。
マントも着ていないから顔が隠せない。

素顔をさらして闘うなんて御法度だ。

「もっと速く走れないのか？」

テンガロンハットの男が追い付いてきて隣を走る。後ろを見ると炎の壁ができていて、暫く男達はは追ってこれないだろう。

『今、足を骨折してるの。これが限界。』

「骨折してんのに走れんのかよ。」

しょうがねぇなと言って男は私を抱き上げる。

といってもときめく方じゃなくて、俵とか持ち上げる方の横抱き。

誰かへの既視感を感じる。