おいらと猫。

38.じゅん ページ38

いつも、
智経由で話せるか話せないか。

という俺らが。


急に2人にされて、
意気投合 ！ みたいな化学反応が。


…起きるわけもなく。(笑)




.





.



テレビに釘付けな、

猫みたいな男に。


釘付けな俺。




.






.




ちっこくて狭っこい背中を

見つめる。


…髪サラサラだな。


…そういえば。


…智に洗ってもらってるんだって、


……自慢してたっけ。




.




なんだか無性に

体の真ん中らへんが。


ムカムカしてきて、



その。首に少しだけかかる黒髪に。



触れたくて。



無意識に引き寄せられていた。




.





.




N「 ！！ 」


刹那。

ビクッとして、
勢い良く振り返る。




N「 な、なに… 」


J「 触れたくなっちゃった 」


N「 ・・・。」


N「 ・・・。・・金取りますよ。」


J「 (笑) 」




.






.



再度俺を一瞥してから、

警戒心むき出しで。

テレビに目線を戻したニノ




.






.



柔らかかったな。…

てか。いい匂いした。



.




もう一度、少し距離が出来たニノを

見つめて。


その視線を追う。




J「 なぁ、さっきから何観てんの？ 」


明らかに、
こいつとは関係ないような。

昔の画家の番組。



J「 伊藤……わ、わか… 」



N「 伊藤若冲 」



J「 じゃ、じゃくちゅう、？ 」


誰だ？それ。



N「 別に俺だって興味ねーよ 」


顔に出てたのか、
少し呆れた感じでこっちに振り向いた。



J「 じゃあなんで ？ 」




.





.



聞いてすぐに、

俺は後悔した。



だってそんなの、

ちょっと考えりゃ分かることだったから。




N「 智が。」



N「 智の好きな画家だから。」




.





.



そう言って、

少し頬を赤く染めた姿を見て。



可愛いって気持ちと、

嫉妬が混じり合って。



堪らなくなった。

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