家族からの贈り物 ページ10
リノside
「あっ」
「長老だ ムンドク長老が帰ってきたーーっ」
あっ2人とも走っていった。
ハクは兎も角、リナちゃんも知り合いなのかな？
「信じたくなかったが…陛下が亡くなられて貴女とハクが城を去ったという事は、やはりそうなのか…」
「その時お守り出来ず、口惜しい」
「…苦しい」
「お」
おって…まぁじいちゃんらしいや。
「………少し、お痩せになられましたか」
「……ううん」
「温かいもの おいしいもの
たくさんもらったの
あんなに美味しいごはん 初めて食べた
風の部族はムンドクみたい
あったかくて ほっとする」
あんなに、言ってみたら質素なものを美味しいって言ってくれた。
辛い事があったのかな…。
そしてじいちゃんは、ハクに目をつけたようで…
「ハク…」
「よおじじい」
じり…っと歩み寄ったじいちゃんを指先で止めるハク。何やってんだか笑
それに、テヨンも羨ましくなったのか、抱っこをねだる。
たかいたかいをしてあげるじいちゃん。
なんだか、微笑ましい。
「ヘンデどうしたんだ お前…っ」
振り返るとボロボロになったヘンデがいた…。
ちょっと失敗どころじゃないし、火の部族…許せないな。
「火の部族のヤツら 何してくれちゃってんだ？」
「俺らと戦争でもやんのか！？」
「ハク様俺に行かせて下さい」
「……待て」
「火の部族に手を出してはならん」
だよね。怒りに任せて、やったらダメだもんね。でも…
「このままだと風牙の都が」
「落ち着け 川の事なら心配いらん
とにかくヘンデの治療を急げ」
「はい」
『私が、治療するよ』
私がここにいても、できることが少なそうだし。
私も、武力に出てしまいそうだッ…。
「…おう」
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作者名：カルー | 作成日時：2017年10月9日 0時
