風に吹かれて超えて行く (ページ18)

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今度こそじゃあね。ページ18

『ん？』〈ジュ？〉

「なんで、ヨナ姫のこと知ってんだ…？」

『だって、あったことあるもの。赤い髪で、声に瞳、ああ、ヨナちゃんだーと思って。』

「い、いつ？」

『ハクが幼かった時、風邪をひいたじゃない？あの時ね、私もお見舞いに行ったのよ。』

「それと…それって、人形じゃないの…？」

『この子？ジュペッタって言って、私の家族よ』

「ポケモンっつー種族らしい」

「へー！その子だけなの？何処にいるの？」

『いや、100.200.300.それ以上いて、町や海や森や空や、何処にでもいる私達と共存している生き物なの。
ちなみに、ポケットモンスターが正式名称で、ボールに入れることで、ポケットに入れてしまえることから、そうついたんだって。』

「そうなの？私は、見たことないのだけど」

『…ヨナちゃんは、信用出来るから教えてあげる。』

大丈夫、悪用されることはない。
コロされちゃうことも、ない。
大丈夫、大丈夫。

『私は、私達は、此処じゃない世界から来たの。つまり、異世界人と異世界の生き物なの。だから、此処にはいない。でも、彼方には普通に生息してるの。

だから、帰るために旅に出ることにしたの。此処も好きだけど、ポケモン達には、生き辛いはずだから…』

「そうなの…」

ジュペッタをキュッと抱きしめて、俯く
ダメだ、苦しいのは私だけじゃないもの。
ヨナちゃんも、ハクも、皆も、苦しいから…

『ということで、元気でね。じゃあね。』