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(夏目side)




結局、応急セットはカバンの中に入っていなかったが、少し長めのガーゼのハンカチがあったので、それで少女のふくらはぎを覆って応急処置した。


夏「それにしても、綺麗な顔立ちをしてるな。それだけに、周りの反応は激しかったんだろうか」


ガーゼで覆ってやっているときに見たのだが、少女の白い足には無数の傷跡が刻まれていた。

こけたであろうものから、あきらかに人工のものまで。

ただの変なやつと思われているだけならまだましだが、この子のように美人だったりすると、嫉妬なんかの別の感情も混ざって身に降りかかってくることだろう。

アレは、この子なりの防御策だったのかもしれない。

風のせいで少女の顔にかかった淡い金髪を払いのけてやりながら、ほう、とため息をつく。


夏「ハンカチ、どう説明しようか……」

?「あら、タカシ君! どうしたのその恰好!? ワンパクも結構だけど体は大事にしてちょうだい!!」


振り返ると、買い物帰りであろうよく知った顔の優しい女の人がこちらに駆け寄ってきていた。

そのまま肩についた土を払われ、もう、ほんとにワンパクね、と叱られてしまう。

でも、叱ってくれるのは、心配してくれているということで、俺にとってはなんだか嬉しい。


夏「はは、すいません、塔子さん……。お買い物帰りですか?」


明るくて暖かいこの人はいま俺が世話になっている夫婦の一人だ。

最近引き取ってくれた藤原夫妻は父方の遠縁。

心やさしい人たち。

二人には妖が見えるなんてことは秘密だ。

気味悪い思いをさせたくは…………


塔「そうなの! 今日はジャガイモが安くって……って、どうしたのその子!? 足にケガでもしてるの!? よく見たらタカシ君の学校の制服じゃない!? 下校途中に何かあったの!?」


同じ学校の制服?

塔子さんに言われて初めて気がついた。

こんな子、良く目立つはずなのに…。


夏「あ、あのちょっとカラスにこの子のストラップがとられちゃって、それを追いかけて森に入ったらこんなことになってしまって……」


わたわたと言い訳を即興で作り上げる。


塔「なんてこと!? 早く手当てしなくちゃダメだわ! タカシ君、その子背負える!?」

夏「あ、はい!」


ちりりり、ちりん

塔子さんに言われるがまま俺は少女を背負い、家まで連れ帰った。

不思議と帰り道では妖に遭遇することは無かった。

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設定タグ:夏目友人帳 , 妖怪 , ルア・クロワール   
作品ジャンル:アニメ
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ルア・クロワール(プロフ) - さんきゅう、ゼル!次も頑張るのにゃ! (2015年1月27日 21時) (レス) id: 266707fba7 (このIDを非表示/違反報告)
ゼル@瑞西領平成目隠島物怪村(プロフ) - ルアー!ハロハロ~☆やっと来れたよ!夢主ちゃん激おこぷんぷん丸カムチャッカファ…げふんげふん。とりあえずお気に入りぽちっとな! (2015年1月24日 22時) (レス) id: d2761511ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルア・クロワール | 作成日時:2015年1月23日 21時

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