リヴァイと赤ん坊と... (ページ9)

今日:6 hit、昨日:6 hit、合計:58,848 hit

９話ページ9

赤ん坊を面倒みる様になって１ヶ月が過ぎた。

今日はエル○○○に赤ん坊を見せる為に調査兵団本部に行く予定になっている。

「兵長、赤ちゃんが怖がらない様にゆっくりと馬を走らせて下さいよ。」

最初は赤ん坊を怖がっていたこいつらも、今は可愛がり始めていた。

ただ俺以外に抱かれるのは相変わらず苦手な様だが、あやすとたまに笑う様になった赤ん坊。

「...心配するな、行ってくる。」
手綱を操ると、馬を走らせ始めた。

赤ん坊は俺の背中でぐっすりと眠っている。

「可愛がると別れが辛くなる...。それは今までの経験で嫌という程味わって来た...。」

昨日の夜、赤ん坊が寝付いてから５人で話し合った。

任務は皆がしっかりと認識はしていたが、果たして...いざという時にこいつに刃を向けられるのか。俺も含めて自信が無くなっていた。

「リ○○○、ご苦労だったな。赤ん坊も元気そうだ。」
エル○○○は嬉しそうな声で話し出す。

俺は赤ん坊を背中からおろすとソファに腰をかけた。

「エル○○○、赤ん坊をここで育てる許可を出してくれ...。」

「どうした？まさか殺せなくなった...と言うのか。」

「あぁ、そうだ。毎日世話をして、一緒に寝て...笑いかけられて...どうしても情がわいてしまう。俺達は特別班だ。任務は理解しているが...。」

赤ん坊が俺のスカーフを掴み、笑いかけてくる。

「...良いだろう。但し、条件がある。」

「何だ...。」

「これからもリ○○○、お前が面倒を見ろ。もし巨人になってしまった時...刃を向ける事が出来なければそれは仕方ない、食われてしまうだけだ。」

「何が言いたいんだ。」

「その時の判断に任せる。兵士長として、的確な判断をしてくれるものと私は信じている。」

(...結局は俺が...殺るしかない様だな...。)

「もし俺がこいつに食われた時の後始末は頼むぞ、エル○○○。」

「あぁ、それはしっかり対処させてもらおう。」

こうして赤ん坊と調査兵団本部で生活する事になった。

俺が食われるか、殺るのか...それは何ら変わってはいなかったが...。

「キャッ...キャッ！」
寝返りや座れる様になり、気になった物には手を伸ばすので目が離せなくなってきたが、おもちゃを渡すと短い時間なら機嫌よく遊べる様にもなった。

「はーい、離乳食持ってきたよぉ。食べようねぇ。」

「おい、クソメガネ...ノックをしろと言ってるだろうが。」

ここに居るとこいつが昼夜関係無く現れ、それはそれで面倒だった。