３５話 ページ35
「バ...バカか、てめぇは！！そんなもん雨の様に打ち込んだら...半分出てるベイビ本体に当たっちまうだろうが！！それをわかってて言ってんのかっ！！」
俺は立ち上がり、ハン〇に向かって叫んだ。
「...っ、それ...もやむを得ない！！捕獲して自然にうなじから出てくるのを待ちたいんだ！！なるべくベイビには当たらない様に打ち込む！！」
「エレ〇の様にほじくり出せねぇのか！！」
俺は刃を引き抜いた。
「待て！エレ〇の様にまた手足が生えてくる保証は無い！我々はエレ〇を基準に考えているが、他の...巨人になる人間の知識は無いに等しい！それにベイビは巨人の中から出てきた！そういう知識は持っていない！もし...もし生えてこなければ出血多量でベイビは死ぬ！！」
俺はベイビの傍にしゃがみ込んだ。
今にもまた泣き出しそうな目で俺を見つめている。
「クソ！何...かねぇのか...。」
「リ○○○！早くそこからどいてくれ！！また暴れ出す前に打ち込みたい！暴れ出すと狙いを定めにくくなる！！」
またハン〇が叫んだ。
「...ベイビ、ちょっと我慢してくれ。」
半分出ているベイビの頬を撫でると、俺は巨人の体に刃を突き立てた。
「やめろっ！リ○○○！！」
ハン〇が俺に飛びかかってきた。
「離...せっ！！エレ〇よりもベイビの方が体が小さい。エレ〇をうなじから出すのは慣れている！エレ〇を取り出す時と同じ大きさに切り出せば...最悪、指先程度の切断で済むんじゃ...ねぇか！」
ズシャッ！
ベイビが巨人の体から離れた。
シュウウウウ...
途端に巨人の体からは蒸気が発生し始める。
ベイビの体を抱き、地上に降り立つと、ベイビからも蒸気が上がっていく。
皆が息を呑み、ベイビを見つめた...。
顔に巨人化の跡が残る痛々しいベイビの顔。
「大丈夫だ。」
声をかけながらベイビの頭、頬を何度も撫でてやる。
「リ○○○、成功だよ！ベイビの体は傷付いていない！！」
巨人の体が蒸発し終わると、可愛い顔、小さな手足が出てきた。
「ベイビ、大丈夫か？」
「うん、大丈夫...。」
ハッキリとした声でベイビは受け答えをした。
よく見ると巨人化前よりも大きくなっている...？
ハン〇が頷き、半裸状態のベイビに俺のジャケットを掛けると、ハン〇の部屋へ連れて行く事にした。
「モブリッ〇！後片付けを頼む！」
ハン〇は指示を出すとベイビを見つめて、「３〜４歳位...？」と呟くのが聞こえた。
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作者名：KYRKR | 作成日時：2017年5月11日 1時
