２０話 ページ20
「明日から全員...立体機動装置と刃を装着しておいてくれ。」
「え...それって...。」
グン〇が顔を引き攣らせた。
「そうだ。万が一巨人化した時の為にだ。暴れ出した場合は...うなじを削ぐしかないだろう。」
「エレ〇の時みたいに半殺しではいけないのでしょうか？」
「オル〇、そんな事はその時にならねぇとわからない事だ。エレ〇は訓練兵で話が通じていたが、２歳とちょいのベイビに巨人になれって言ってもニッコリと笑うだけだ。試す方法が...ない。」
「兵長は...巨人になったベイビちゃんのうなじを...削げますか？」
「何が言いたい？」
ペト〇に聞き返した。
「赤ちゃんの時から慈しんで育ててきて...巨人になって暴れたからって...正直自信がありません。」
思わず...俺もそうだ...と言ってしまいそうになった...。
「...とにかく！だ...明日からちゃんと装備をしろ。わかったな！」
「嫌です！」
エル〇が立ち上がった。
「嫌...だと...？」
「俺には...俺には...出来ません！」
「それなら...俺の班を辞めろ！」
皆の体がビクッと動いた。
「命令は絶対だ！育ててきたから可愛いです、出来ませんじゃ...ねぇだろうが！俺達は特別班だ。今までだって辛い仕事を何度も...してきたはずだ！甘えた事を言ってんじゃねぇ！」
「でも！」
ガタッ！
俺は立ち上がり、エル○の胸ぐらを掴みあげた。
「命令だ...嫌だ嫌だと...ガキみてぇにうるせぇ！」
ガタガタ...バァン！
思い切り突き飛ばされてエル○は派手に転んだ。
「ック...ヒッ...グズ...了解...です。」
ペト〇が泣きながら...返事をした。
「...チッ。」
舌打ちをしてまたソファに腰をおろしたその時。
遠くで...誰かの泣き声が聞こえる。
「うわぁ...ん...パパ...ぁぁん...。」
「ベイビ！」
廊下に飛び出した。
裸足のまま廊下に出て、泣き喚きながら俺を探していた様だ。
「ベイビ！こっちだ！！」
俺が叫ぶとベイビは走り寄ってきた。
「よしよし...怖かったな。一人にして悪かった。」
抱き上げながら頭を撫でてやる。
「ヒクッ...パパ...ふぇぇ...。」
顔をくしゃくしゃにして、また泣き出す。
「悪かった...ここにいるだろうが...。」
ベイビにそう声を掛け、ペト〇の部屋のドアを開けた。
「...わかったな、これは命令だ。」
皆が頷いたのを確認するとドアを閉め、自室に戻る。
「パパ...ちゅきにゃのに...いにゃいかだ...。」
「わかった...ずっと一緒に居てやる...。」
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作者名：KYRKR | 作成日時：2017年5月11日 1時
