リヴァイと赤ん坊と... (ページ19)

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１９話ページ19

コンコン！
「俺だ、入るぞ。」
声を掛けドアを開けた。

部屋に入るとエレ〇１人が落ち着かないという様子で座っている。

他の奴らは...暗い表情をしていた。

「...皆、揃っているな。」
俺はソファに腰をかけながら皆に聞いた。

「へ、兵長、俺は何をしに？」

「まぁ落ち着け、エレ〇。お前に聞きたい事があっただけだ。」

「...はぁ。」

「お前が初めて巨人になった時のきっかけは何だ？」

「きっかけ...ですか。」

「あぁ...何か参考になる事があれば...と思ってな。」

ペト〇が顔をあげる。

「あの時は...無我夢中で記憶が曖昧なんですが、とにかく巨人を倒したくて...。俺、巨人の胃袋の中で...気付いたらって感じだったんです。」

「確か...目的が無いと巨人化出来ないんだったな？」
グン〇がエレ〇に聞いた。

「だからスプーンの時もスプーンを拾うのが目的で巨人になったのよね。」

「はい、あの時はスプーンがきっかけでした。」

「エレ〇、お前はどう思う？お前が巨人になるのは自らの自傷行為がきっかけだが...目的があって、走って転んだだけで巨人になると思うか？」

「ベイビちゃんの...事ですか？」

皆が『ベイビ』という言葉に反応した。

「そうだ。突然成長したあいつは走れる様になっていた。走れる...という事は勢い良く転ぶ可能性がある。走るだけじゃなくて、運動機能が発達してきたら予期せぬ怪我もあるだろう。」

「はい、そう...ですね。俺には...わからないです。親父に注射を打たれてから巨人になるまで...何年もありましたし、俺自身あの時までわからなかった位ですから。」

「まぁ...そうだろうな。」
俺はため息をついた。

「でも、意図的な自傷じゃないので...ベイビちゃんは巨人化しないかもしれませんよ。」
オル〇が情けない口調で話し出す。

「...エレ〇、呼び出して悪かったな。もう戻って良いぞ。」

「は、はい。俺で協力出来る事があるなら...声を掛けて下さい。」

「...わかった。その時は頼む。」

エレ〇は敬礼をするとドアを開け出て行った。

「兵長、お話とは何ですか？」
エル〇が待ちきれない様子で俺に聞いてくる。

「今日...ベイビが急に成長したってのは皆知ってるな？」

４人が一斉に頷いた。

「さっきエレ〇に話した通りだ。今までよりも行動範囲が広くなっていくベイビがいつ怪我をするのか予測は出来ねぇ。怪我が原因で巨人化する可能性がある。」

「確かに否定はできないですね。」
ペト〇はそう言いながら俯いた。